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電子強国を誇る日本の墜落、そして韓国の追い越しは、10年前には想像もできなかったことだ。百瀬格韓国三井物産顧問(72)は97年、「韓国が死んでも日本を追いつけない18の理由」で世間の注目を集めた。
しかしこれを覆す現実が目の前で起きている。ソニー・パナソニックなど日本を代表する電子企業9社の7-9月期の営業利益をすべて合わせも、三星(サムスン)電子1社の半分にもならないという記事が最近、日本の新聞に特筆大書された。「衝撃」と表現している。
百瀬氏は通貨危機の真っ只中の98年末、中央日報経済週刊誌「エコノミスト」とのインタビューで、「日本の家電に追いつく国は世界で韓国だけ」という言葉を述べた。当時出した著書の立場とは違い、韓国電子産業に唯一の可能性を見いだしたのには理由があった。世界で日本に匹敵する技術と生産設備を備えた国は韓国しかなかったということだ。日本が製造するものにほとんど手をつけ、苦しみながらも対抗している国が韓国だけだった。そうだとしても当時の発言は非常に小さな可能性としてのものだった。百瀬氏の予言はどのように実現されたのか。今月上旬、百瀬氏に会って話を聞いてみた。
--三星・LGなど韓国電子企業の営業実績が日本を追い抜いた。その秘訣は何だと考えるか。
「日本電子企業の不振は根が深い。政府の規制が強いため、民間企業の力が十分に発揮されず、韓国に遅れをとる余地が生じた。韓国はそれに比べて民間企業の力が強かったようだ。(百瀬氏は携帯電話2つを取り出した。一つは三星のエニーコル、もう一つは日本製だった)韓国製のほうが薄くて軽い。バッテリーがすぐになくなるという短所があるが、とにかく韓国には新しくて多様な製品が日本よりたくさん出る。日本の技術力が落ちたわけではない。韓国政府が製造業を後押ししているからだ。もちろん韓国でも政府規制が強いという不満が多いことは知っている。しかし日本と比べると少ないと思う」
--日本企業が韓国企業の躍進に刺激を受けているようだ。
「先端技術力で反転を図り、国家的にも政権交代をしたが、簡単なことではないだろう。問題は韓国-日本の競争構図ではない。旭日昇天する中国を意識しなければならない。13億人という中国人口の1%が電子業界に従事すると考えるだけでも恐ろしい。中国の技術は驚くほど発展している。5年、10年後には『中国の看板電子企業1社の営業利益が韓国電子企業をすべて合わせた規模の2倍』というショッキングな記事が出るかもしれない」
「日本抜いた韓国電子業、10年後には中国に抜かれることも」(2)
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