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「日本版ノーベル賞」と呼ばれる京都賞がいつの間にか国際的な名声を得ている。日本で「経営の神様」と尊敬を受けている稲盛和夫・京セラ名誉会長が生み出した結実だ。この賞は京セラ創業者の稲盛名誉会長が設立した稲盛財団が1985年に創設したもので、今年で25回を迎えた。
10日に京都で行われた授賞式では基礎科学、先端技術、思想芸術の3部門で日本人、英国人、フランス人ら4人が受賞した。先端科学技術部門で受賞した赤崎勇・名古屋大学特別教授は、青色発光ダイオードを発明した功労が認められた。
京都賞は厳格な審査で定評がある。1年目に候補を推薦し、2年目の審査に続いて3年目の選定に至るまで3年かかる。稲盛財団の徳留正美広報部長は、「徹底した検証を経ている」と述べた。そのため7回目までは科学技術が進んでいる欧米が賞をさらった。これまで受賞した81人のうちアジアからは日本人が13人で、韓国系は米国籍の白南準(ペク・ナムジュン=ナムジュン・パイク)さんが唯一だ。
稲盛名誉会長が私財を投じて作った基金は600億円に達し、ノーベル賞基金の約500億円を上回る。部門別の受賞者には賞金として50万ドルが贈られる。稲盛名誉会長がこの賞を創設したのは、「人間と社会のために貢献したい」という経営哲学によるもの。京セラは59年に設立した当時、他の会社の工場の片隅を借りて従業員28人のベンチャー企業としてスタートした。今年で創立50周年を迎えた京セラは従業員5万9500人、子会社219社を抱える世界的企業に成長した。
昨年の売上高は1兆1285億円に達する。稲盛名誉会長は「小さな企業がこうして成長したのは、誠実さと熱意を持って黙々と努力する人たちがいて可能だった」と企業家精神を強調してきた。京セラが電子製品、医学機器、自動車、機械部品の必需品であるセラミック分野で世界最高の競争力を持つのも技術者らの情熱のためだというのが稲盛名誉会長の考えだ。決定的な瞬間ごとに新たな挑戦に乗り出し、稲盛名誉会長が日本の2大移動通信事業者のKDDIを創業したことも「稲盛神話」に挙げられる。稲盛名誉会長の経営哲学を追従する経営者が増えたことから設立された私設経営スクールの盛和塾には数万人が集まり、松下政経塾を凌駕する人気を集めている。稲盛名誉会長は54年ぶりの政権交代で民主党が政権を取ると、行政刷新会議の民間委員に推挙され、政府予算と天下り人事改革にメスを入れる役割を任されている。
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