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【コラム】地上波が求める金稼ぎ、度を超した

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
地上波テレビは公共財の性格が強い。受信条件を備えれば、誰でも無料に近い価格で視聴できるからだ。ところが韓国の放送受信をめぐる環境は、諸理由から難視聴地域が多く、地上波テレビを直接受信するのが不可能だ。このため大半の家庭は少なくない金を支払って、中継の有線、ケーブルテレビ、衛星など別の受信機能を備えて地上波テレビを視聴しているのが実情である。

国内の地上波テレビ局は長い間、視聴者の受信条件を改善するための投資に背を向けてきた。このため、難視聴地域は事実上放置されていた。こうした受信条件の改善に決定的に寄与したのがケーブルテレビと中継有線放送会社などだ。もちろんこれらも事業性を考えて投資したのだが、結果的にこれらが築いた放送網を通じて各地上波は各種の番組を全国各地の視聴者に送ることができたということだ。

その結果、地上波テレビには途方もない利得があった。年間2兆ウォン(約150億円)に近い広告収入が代表的な例といえる。しかしケーブルテレビや中継有線放送会社は地上波テレビに、電送代行に対するいかなる見返りも要求できない。地上波とケーブルテレビなどが相互の利害をもとに締結した合意による。問題は、最近、地上波テレビの自己中心的な営業行為が度を超しているという点だ。


新しくスタートするデジタル放送を理由に、ケーブルテレビの事業者に番組の再伝送を中断するよう求め、法的手続きを踏んでいるのがそれだ。これはケーブルテレビと中継有線放送会社が韓国の放送産業に寄与した功労はもちろん、従来の合意さえ完全に否認する行為と言える。各家庭にアンテナを設けていた1960年代の難視聴時代に戻ろうという納得しがたい主張だ。

メディア法の見直しをきっかけに、韓国のメディア業界も先進化の礎石を作った。今や地上波テレビに再伝送の見返りを求める問題も、改めて合理的な協議の過程を経るべき時点となった。問題認識の出発は、無料で提供されるべき地上波テレビが事実上有料化しているという現実から見いださねばならない。地上波事業者はすでに本社の広告収入のほかに、子会社の放送チャンネル使用事業者(PP)を通じて以前の番組を再放送し、年間数千億ウォンにのぼる収益をあげている。

これでも足りず、KBSテレビ(韓国放送公社)は受信料を引き上げ、ケーブルテレビ・中継有線放送会社に再伝送料を要求することなどで二重、三重に金稼ぎをしようとしている。これは無料であるべき公共財を有料化し、経営の重荷を国民に負わせる狙いだ。この問題は、双方(ケーブルテレビ事業者や地上波事業者)の主張だけに基づき、単なる法理判断だけで済ませられる問題ではなく、究極的に費用を負担することになる視聴者を参加させて合理的な代案を作らねばならない。

万一、地上波テレビの有料サービスを既定事実化するならば、有料・無料の地上波テレビを視聴者が選択できるようにすべきだ。こうなった場合、無料サービスを行うという地上波テレビ局を新規として許可し、新規の総合編成チャンネルも、希望するすべての事業者に許可し、視聴者の選択権を保障しなければいけない。



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