第3四半期の実質国内総生産(GDP)が前四半期比で2.9%も増加したことが示された。予想外のすごい経済成長率だ。前年同期比では1年ぶりにプラスに転じ0.6%の成長率を記録した。企画財政部はこのままいくと今年通年の経済成長率もマイナス成長から脱する可能性があるという期待感を示した。好転した第3四半期の成長率はその意味が格別だ。経済成長率が財政投資効果が弱まる下半期からまた下がるかもしれないという懸念を相当部分なくしたものだ。上半期に公共部門が主導した景気回復の流れを下半期に入り民間部門が自然にバトンを受け継ぐ兆候を見せていることも鼓舞的な現象だ。
こうした肯定的なシグナルに対し行き過ぎた期待感を警戒する専門家も少なくない。秋夕が10月に入った効果に加え、老朽車両交代に対する税制支援が一時的な影響を及ぼしたというものだ。しかし最近の韓国経済のしっかりとした足取りはまた否定することはできない。第3四半期の上場企業の設備投資計画規模は前四半期に比べ6.6倍も増えた。デパートの秋のセールで売上高はやはり前年同期比で20%近く増加した。ドル下落にもかかわらず9月の輸出額も345億ドルと経済危機以前の水準に迫っている。こうした消費、投資、輸出の好調が組み合わさり、第3四半期の“GDPサプライズ”を生んだとみるのがはるかに合理的な解釈だろう。
だからと韓国経済が本格的な成長軌道に乗ったと見るには依然として無理がある。失業率が下がらない状態で「雇用のない成長」には限界がある。国際原油価格も1バレル=80ドルに上がり、為替相場も1ドル=1170ウォンまでドルが下がっている。財政赤字負担によりこれ以上政府の財政拡大は期待しにくい。米国政府も追加の財政拡大に難色を示し、中国も景気過熱を沈静化させる側に方向を転じている。
こうした内外に潜伏する変数を考えると、まだ安心するには早い。民間消費と設備投資を誘導するための努力を固めなくてはならないだろう。
韓国経済を本格的な成長軌道に乗せるにはまだ行く道は遠い。自生的で持続可能な経済成長は決してみずから来ないということは言うまでもない。
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