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◇タバコで苦労
しかし、いざ苦労は別のところにあった。ほかでもなくタバコだった。実はシナリオ上でメイは、相手役のウンソル役チャン・ヒョクよりもタバコを吸うヘビースモーカーであった。養子に出された人のアイデンティティーについて悩む部分で、いつもタバコを吸う演技が必要とされた。しかしタバコの演技のたびに敏感なアレルギー反応を起こすソン・ユリの体質が問題だった。それでも意欲満々のあまり、タバコを吸う練習までしたが、結局、撮影はタバコ抜きで撮ることになった。
「タバコを吸う練習をかなりしました。メイはタバコに慣れているように見えなければいけませんから。ところが撮影の前日、監督から“吸わなくてもいい”と言われました。練習したのが惜しかったものの、ほっとしました」(笑)。
◇演技力めぐる議論、そろそろ卒業したい課題
ソン・ユリは今回の作品を通じて、役者としてさらに一段階成長できることを夢見ている。札付きの演技力をめぐる議論を離れ、俳優ソン・ユリとして観客にもう少し迫るのが目標だ。
「最初は演技力のことでストレスがたまりました。でも今、考えてみると、確かに私に足りない部分があり、またそれが悪いものばかりではなかったような気がします。おかげでその後からは作品に対してより慎重になり、今でも寝る前に口にボールペンをはさんで聖書を読み、セリフを演じる練習をしています」。
22日に公開する「ウサギとリザード」は、幼いころ米国に養子に出されたが、故国に戻ってきたメイ(ソン・ユリ)と心臓病のミニジェスティン症候群を患っているタクシードライバー、ウンソル(チャン・ヒョク)の出会いを描いている。
<インタビュー>ソン・ユリ「ノーギャラで出演、タバコ吸う練習も」(1)
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