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演技力をめぐっては常に論議を呼んだが、気がつけば女優業に挑戦して7年目の女優ソン・ユリが「ウサギとリザード」(JMピクチャーズ、チュ・ジホン監督)というややエキゾチックなタイトルの映画でスクリーンデビューした。それもノーギャランティーの出演だ。これについてソン・ユリは「全般的に厳しい映画界の事情に配慮し、出演を決めました」と話すものの、その裏には作品に対する確信と意欲があった。
◇なぜか陰のある役柄にひかれた
ソン・ユリの気持ちを最も動かしたのは自身が演じたヒロイン、メイのキャラクターであった。キャスティングを提案されたのはテレビドラマ「快刀 洪吉童(ホン・キルドン」を撮影していたころ。明るく活発なキャラクターにはまっていた彼女は優雅ながらもどこか陰のあるメイに魅了された。
「明朗活発な役柄が多かったので、メイという役に意欲を感じました。それほどセリフもなく、雰囲気と表情で演じなければいけないという点にも妙な魅力を感じ、ギャランティーはその次の問題にし、出演を決めました」。
◇フランス留学監督のユニークな感性
幼いころ外国に養子に出されトラウマをもつ人、交通事故による出会い--など多少どこかで見たようなストーリーをユニークに描いている監督の感性にもひかれた。チュ・ジホン監督はフランス国立映画学校(FEMIS)を卒業し、04年に映画「歯痛」でCNCフランス映画振興公社の長編シナリオ賞を受賞した実力派だ。自分の恋愛経験や結婚の過程について詳しく説明し、感情を引き出すディレクションに心を奪われた。
「監督は撮影の際、終始モニターを見せてくれませんでした。おそらく感情を維持させるための方法だったようです。おかげでほかのことは気にせず、演技にだけ没頭できました」。
<インタビュー>ソン・ユリ「ノーギャラで出演、タバコ吸う練習も」(2)
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