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11日、釜山(プサン)のある映画館。 ある東洋人女性が舞台の上へ向かった。 女性の最初の言葉は「韓国語で話したいが、それができず申し訳ない」だった。
この女性の名前はウニ・ルコント。彼女は自身の最初の作品であり、韓国とフランスの合作映画である「旅行者」を持って釜山を訪れた。 この日、映画上映後の「観客との対話」のために舞台に上がったのだ。
父に捨てられた9歳のジンヒが養子としてフランスに送られて生きていく過程を描いた映画「旅行者」は、ルコント監督の自伝的な話だ。 彼女は9歳の時に養子としてフランスへ渡り、そこで育った。 養子としての傷や怒りを扱った内容ではないかという当初の予想は外れた。 ルコント監督はジンヒを通して、捨てられることではなく、別れの痛みを認めて人生の意味を見いだしていく少女を表現したかったと述べた。
「私は映画を通して別れのつらさ、苦痛、別れを認める難しさを伝えたかった。 生きていく意味を見いださなければならない理由、存在の理由を描いてみてみたかった」
監督はシナリオを書き始める時から少女の名前を「ジンヒ」に決めていた。 真実を意味する「真(ジン)」と女児の名前にありふれた「姫(ヒ)」を合わせて、真実を見いだそうとする試みを詩的に表現したのだ。
「養子」という自伝的な素材を負担に感じないかという質問に対し、ルコント監督は「シナリオ作業の段階からすべてのものを認めて公開することを決心した」と語った。
ルコント監督にとって韓国とはどういうものか。 自分を捨てた国? もしかすると少しでもわだかまりのようなものが残っているのではないだろうかと思い、慎重に尋ねた。
「私が生まれたところ、私の親がいたところ、また一方では私の幼年時代の一部。 意識的であれ、無意識的であれ、韓国は私の一部」
父と別れた痛みとその別れを克服していく9歳のジンヒの話を描いた映画「旅行者」は29日に国内で公開される。
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