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【コラム】「核なき世界」と韓半島の非核化

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北核問題の解決に向けた新たな試みとして朝米交渉の可能性が浮上する中、果たしてそれが「かつての交渉とは異なる新しい歴史的意味合いを内包しているか」について注目するようになる。

北朝鮮の核廃絶は「核なき世界」を願う人類の夢を実現する第一歩になりうるからだ。しかしそのためには▽米国が自らの歴史的使命の履行にどれだけ充実になりうるか▽北朝鮮は果たしてこうした米国の立場をきちんと理解し適応できるか--という厳しい前提が満たされなければならない。

「米国が唯一の超大国」という時代が終わりつつある今、2回にわたる世界大戦以降、持続的に行使されてきた米国のリーダーシップは、軍事力や経済力に劣らず、人類の普遍的な価値を実現する旗手の役割を自任することによって、維持が可能になってくる。つまり人類を破滅に率いられる地球温暖化や核拡散にブレーキをかける時代的使命に率先するとき、米国は今後も国際社会でトップリーダーの座を守ることができるだろう。


故に、オバマ米大統領が国内外に山積する課題に囲まれた状況にもかかわらず「核なき世界」を目指し、確信に満ちた第一歩を踏み出すのを見て、我々は人類社会の、そして米国の将来に大きな期待をかけることになるのだ。就任から100日後に、核削減や核不拡散への努力に新たな活力を与えたプラハ演説を皮切りに、オバマ大統領はロシアとの関係改善や米中戦略対話を通じ、来年5月に予定された核拡散防止条約(NPT)再検討会議に、いち早く歴史的な重要性を付与した。

また、欧州では北大西洋条約機構(NATO)との関係強化や英独仏露との連携を通じ、イランの核開発への圧迫の度を強めていく一方、北朝鮮への国連安保理制裁決議・1874号を続けていく過程が、核不拡散についての同氏の確固たる意志を示している。

ただ欧州中心部に近い所で万一でも北朝鮮のような核・ミサイルの脅威が生じた場合、果たして米国が今のように余裕ある対応で一貫できるかに対する一抹の疑問や遺憾が同盟国の日本と韓国民の心に残っているのは事実だ。米新政権発足後、クリントン国務長官、スタインバーグ国務副長官らが北朝鮮の核廃絶に対し一貫した立場を表明しているのは当然評価されねばならない。

遠からず北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を訪問するボズワース北朝鮮政策担当特別代表は何よりも「今後の朝米交渉は、これまでのゲームの延長戦ではなく、新たな目標に向けた新たな努力」であることを、そして、新大統領は新しいビジョンと確固たる意志をもっているとの点をそれぞれ説明し、北朝鮮が肯定的に適応するのが、名分と実利いずれも得られるる唯一の道だとの点を説得するよう期待したい。

北朝鮮が核をあきらめ、「南朝鮮(韓国)革命を通した統一」という幻想や、「米国が韓国・日本との同盟関係を放棄する」という非現実的な期待を捨てるならば、北朝鮮体制の安全や経済発展を、米国だけでなく6カ国協議当事国がともに保証する「問題解決の青写真」を提示し、これを実現できるオバマ大統領の意志や政治力についても説明するものと信じたい。

北朝鮮が、難しくても賢い決断を下すならば、実利と名分の両面で大きな所得を得られるだろう。世界史の例外地帯になること、つまり孤立の対価がどれだけ大きいかについてはこれ以上言うまでもない。核兵器の凄まじい洗礼を受けた唯一の国、日本の新首相がアジア共同体を掲げ、建国60年を迎えた中国が開放を通した持続的な発展を確かめあう世の中である。

非核化の名分を言うならば、「核なき世界」を求める人類の行進に率先することに加え、南北(韓国・北朝鮮)が自主的に92年に採択した「韓半島非核化共同宣言」を再確認し、民族的発展のきっかけを作ればいいのだ。「南北は韓半島を非核化することによって核戦争の危険を除去し、韓国の平和統一に有利な条件や環境を作り、アジアと世界の平和と安全に尽くすため」「核兵器の実験、製造、生産、受け付け、保有、保存、配備、使用をしない」と宣言したことに続き、「南北は核エネルギーを平和目的にのみ使う」と約束した。

これまで「米国の敵対視政策」のため非核化共同宣言の履行が難しかったならば、朝米交渉と6カ国協議を通じ「敵対視政策」の問題を1日も早く解消し、非核化共同宣言と枠組み合意をもとに、南北共存の新たな幕を開けなければいけない。離散家族再会の喜びと痛みをいったいどれだけ繰り返さねばならないのか。今こそ民族の将来に向けた決断の時間である。



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