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ヒマラヤ山脈東端にあるブータンは人口70万人の小さな王国だ。面積は韓国の半分に満たず、1人当たりの国民所得も1400ドルで世界124位だ。首都ティンプーの人口は韓国でいう郡所在地程度の3万人で、デパートも全国をひっくるめて2店だけだ。テレビは1999年、インターネットは2000年になって導入された。
しかしこの国は2006年、イギリスレスター大学が作成した「世界幸福地図」で8番目に幸せな国に挙げられた。韓国は102位だった。ブータン人たちが低い所得にもかかわらず大きな幸福感を感じるのは前任の国王であるジグミ・シンゲ・ワンチュクが1972年「国民村幸福」(GNH=Gross National Happiness)という概念を導入したからだ。経済開発を掲げるよりは伝統文化と環境を保護し、富を公平に分配する政策を推進した。表に現れた富よりは内的な満足感を重視したのだ。
ヨーロッパのデンマークは最近20年間、各種幸福指数の調査でほとんど1位を独占している。デンマーク国民が感じる幸せのベースには「平等と信頼」がある。みんな同じように稼いで消費しながら犯罪の不安なしに生きていくからだ。
幸福学者たちは所得と幸せが必ずしも比例しないという。1人当たり所得が1万2000ドルを超えれば所得が増える分、生の満足が増えないというのだ。代わりに生の余裕、円満な人間関係、健康、精神的イマージョンを幸せの必須条件に入れる。しかし幸福感というのは天気によって変わり、今どんな映画を見ていたのかによっても変わる。ワールドカップサッカー優勝でもした日には、国民全体の幸福感はあっという間に上がる。
最近、韓国社会学会が主催した「幸せシンポジウム」で、韓国人はお金より睦まじい家庭と健康を幸せの最大要因に挙げるという内容が発表された。韓国人たちは金を稼ぐためによりたくさん働くが、家族との関係が遠ざからないか、健康を失わないかと思う不安が先に立つというのだ。節日ならその苦労をいとわずに皆が遠く帰省することも家族愛を確認し、そこに幸せを見出すためであろう。
ドイツのゲーテは「人生をすべて合わせて本当に楽しい時間が4週間にもならない」と言い、ビスマルクも「幸せな瞬間は24時間は超えない」と言った。幸せは自ら見つけてもっと多く感じようと努力するときに増えるという話だ。
カン・チャンス環境専門記者
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