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韓国戦争が勃発して1週間の1950年7月2日。北朝鮮軍の攻撃で受け太刀になったとき、韓国空軍所属操縦士10人が日本の福岡に飛んだ。米空軍基地である板付で運用していたF-51戦闘機10機を持ちこむためだ。「マスタング」と呼ばれるF-51の導入は空軍戦闘力を一気に引き上げた韓国空軍史の転換点になった。初めて戦闘機時代が開かれたのだ。
当時のエピソード1つ。F-51を引き取りに行った操縦士たちは動体に描かれた米国空軍マーク(黒の円中に白星を描き、円の両方に3本の線がある模様)を消して太極を描き入れた。これが韓国空軍機マークの嚆矢となった。
10月1日で空軍が創軍60周年(49年10月1日創軍)となる。空軍の発展史は戦闘機に代弁される。大邱にある11戦闘飛行団ユ・チャンベ(空士40期)中佐は「6・25のとき、戦闘機を率いた先輩たちが今の我々の姿を見れば驚いて倒れるだろう」と話す。
轟音を上げて滑走路を蹴上がるF-15Kをさして言う言葉だった。59年前、F-51は空対空戦闘が主な任務だが、当時だけでもミサイルが開発される前なので機関銃が全てだった。そうしてみると適機の後ろに付いて機関銃で撃墜させる「しっぽつかみ」(ドッグファイター)が主な戦術だった。しかしF-51とF-15Kは創始期の飛行機と宇宙船で比べるほど差がある。
F-15Kは操縦桿の計器盤が作動せず、操縦士が使っているヘルメットだけで目標物に照準を合わせることができる。操縦士ヘルメットの照準を表す機器が新型空対空ミサイル(サイドワインダー)と連動されているからだ。操縦士ヘルメットのゴーグルに高度・速度・飛行姿勢などの情報が示され、操縦士が敢えて計器盤を見る必要なくヘルメットで目標物を照準した後、発射ボタンを押せば自動で適機に向かってミサイルが飛ぶようになっている。ヘルメット1つの価格は2億ウォン(1519万円)。米空軍でも一部の戦闘機にだけ使われる最新装備だ。先端である上に価格が高く、訓練を終えた操縦士が着陸すればいちばん先にヘルメットに手が行く。
1機当たり価格が1200億ウォン(武器含み)であるF-15Kは、最新電子装置が整然と並ぶ。操縦桿を除いた大部分の装備が電子化された。飛行時に持ち込んだ地図もデジタルでコンピューターに入力されている。操縦士たちは出撃前、部隊のコンピューターでDTM(Data Transfer Module・外装ハード)に飛行経路と射撃、戦術機動など飛行任務をあらかじめ入力する。F-15Kは米国を含み、日本・イスラエル・サウジアラビアなどが保有したF-15のうち最新型だ。
何よりF-15Kの武装力は世界最高水準を誇る。イ・ヨンス(空士38期・中佐)122戦闘飛行大隊長は「空対空・空対地ミサイルなど10トンの武器装着が可能だ」と説明している。
長距離空対地ミサイルスラム-ER(SLAM-ER)は、大邱隣近で発射すればソウル上岩洞ワールドカップ競技場のゴールポストの中に命中させることができる。スラム-ERは、目標地点近くに近付けばカメラが稼動され、標的の映像をF-15Kに送って操縦士が終わりまで標的を変えられるようにしてくれる。空軍関係者は「ゴールポストにゴールキーパーが見えればゴールキーパーを避けて命中させることができる」とし「これからは建物が攻撃目標ではなく建物の窓に当てようか、ドアを壊そうか、と悩まなければならないほど正確度が高くなった」と述べた。それだけ超精密攻撃が可能で戦闘機と操縦士の生存率も高くなった。
11飛行団はベトナム戦で猛威をふるったF-4Dファントム機も運用してきたが、最新鋭戦闘機を持ちこむことによって来年6月F-4Dは退役する。パク・ジェボク(空士29期・准将)11戦闘飛行団長は「創軍60年ぶりに世界最高機種を韓国空軍が運用することになった」とし「防衛力を高めると同時に国家の地位を上げた」と話している。
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