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故盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の回顧録「成功と挫折」が21日に出版された。
盧前大統領が残した未完成の原稿(原稿用紙90枚分)や非公開でインターネット上に書き残した文章などをまとめたものだ。検察の捜査を受ける際の心境や、金海烽下(キムヘ・ボンハ)村の私邸に隠遁(いんとん)するころの様子も紹介している。
逝去から1カ月前の今年4月12日、息子の建昊(コンホ)氏が検察に出頭する姿をテレビで見守り「他人のことでもなく、自分のことだから非常に心が痛む。カメラも刃物になる」と書きおろした。また「茶の間を歩く。1、2、3、4、5、6、7…後ろ向いてもう一度1、2…。『パピヨン』という映画で見た場面を思い出す。記者のため庭にも出られないからだ」という文章もある。
◇「金正総書記、少し対話が通じる人だと感じた」=盧前大統領は07年10月に行われた2回目の南北(韓国・北朝鮮)首脳会談の秘話などにも触れた。金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長について「聞いていた通り、ずけずけと言う人だった。国政の全般について非常に詳しく把握していて驚いた。改革や開放に触れると、自身の所信やロジックを非常に明確かつ体系的に表現した。実務的な懸案ではかなり融通がきき、対話が通じる人だという印象を受けた。北朝鮮で多くの人々と対話してみたわけではないが、もしかすると最も柔軟に感じられた人が金委員長であり、残りの人々は非常に硬直している感じだった」と回顧した。
◇「同居政府・連合政府は欲張りすぎ」=盧前大統領は「(在任中に)成功もあり、失敗もあった。ところが今、私を支配するのは成功と栄光の記憶ではなく、失敗と挫折の記憶」とした上で「市民として成功し挽回したかったが、もはや恥ずかしい人になってしまった」と述べた。また「同居政府や連合政府、地域間の対立を克服しようとしたのは、大統領にできることではなかった。欲張りすぎたものだった」とした後「大統領になるな。多すぎるタブー(芝居の観覧、ゴルフ)があり、危険な職業だ。カネやマスコミなど権力の手段が重要だ」とも話した。また「金大中(キム・デジュン)元大統領は国宝級の接待を受けるべきリーダーだ。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領も87年以前までの政治的業績は金大中氏に劣らない。しかし90年に3党を統合し、永遠に民主勢力の統合を不可能にさせた人が金泳三氏であるため、20年間にわたり、同氏が作った図式と戦うことになった」としている。
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