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【コラム】偏った対北朝鮮接近法から抜け出すべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「北朝鮮を制裁するとは戦争をするつもりか?」。金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の対北朝鮮政策を象徴する主張だ。 北方限界線(NLL)での奇襲攻撃、核実験など北朝鮮の挑発を懲戒するために韓米や国連が北朝鮮に制裁を加えようとすると、政権の核心から出てくる決まりの言葉だった。

しかしこうした論理を北朝鮮の最近の動きに適用すれば混乱する。 韓米が1年近く北朝鮮を無視して制裁したが、何も起こらなかった。 「戦争」どころか銃声1発も聞こえなかった。 米国が圧力の手綱を締めても北朝鮮は反発どころか、拘束していた米国女性記者を解放する柔軟な措置を取った。

その間、口にできないような言葉を使って陸・海・空でぞっとするような脅迫をしてきた李明博(イ・ミョンバク)政権に対しても立場を大きく変えた。


もちろん北朝鮮を意味なく刺激する必要はない。 例えば「開城(ケソン)工業団地に寄宿舎ができれば労組をつくるおそれがある」「北朝鮮の核問題が解決しなければ開城工業団地の拡大は難しい」という発言は、南側の高位当局者が敢えて発言する必要がなかった。 実現性も、実益もほとんどなく、公然と北朝鮮の自尊心を傷つけるだけだからだ。

そうだとしても、北朝鮮の神経を逆なですればあたかも南北関係が「砲煙の火の海」になるかのように話すのは、単細胞的なドグマでしかない。 彼らが主張したのは「平和」だったが、実像は「平和を仮装した屈辱」だ。 世界経済10位圏の大韓民国の国民の誰がこれにうなずくだろうか。 結局こうした主張は国内の葛藤を誘発し、さらに南北関係の進展にも役立たない「悪性ウイルス」にすぎない。

北朝鮮が対南関係を柔軟な方向へと転換させたが、その内心までは分からない。 しかし今回の北朝鮮の態度の転換で「対北朝鮮制裁=戦争」という等式の根拠が崩れたことだけは明らかだ。 少なくとも一般国民の目から見ればそうだ。 それでもまだ「偏った北朝鮮認識」に固執している階層がいる。 「北朝鮮が脅威を与えれば南側政府に問題があった」「北朝鮮が柔軟に出てくれば北朝鮮指導層の決断だ」という具合なら、韓国内部の対北朝鮮認識の差は埋まらない。 北朝鮮の過ちに対して一斉に同じ声を発すれば効果が高まるというのにだ。

政府ももっと悩まなければならない。 その間、北朝鮮の脅威と社会の一角の批判にもかかわらず、北朝鮮の変化を一貫して要求してきた姿勢は評価に値する。 しかしこれに安住したりうぬぼれてはならない。 まず当局者の発言がもっと節制され、戦略的でなければならない。 「北朝鮮の変化は根本的なものではなく戦術的」という玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官の発言は間違った分析ではない。 しかし学者ならまだしも、対北朝鮮政策を総括する統一部長官が公開的に話すことではない。 政府の内心をそのまま表す必要がどこにあるのか。

北朝鮮問題に先制的に介入する戦略も必要だ。 今までは北側が挑戦してくれば、南側が応戦するというのが南北関係のパターンだった。 しかし今はこうした状況を逆転させなければならない。 「経済力がないから放っておけば北朝鮮から何か言い出す」というような「単線的・放任型路線」はやめるべきだ。 こうした点で、李大統領が最近主宰した外交安保諮問団の会合が注目される。 「米中が韓半島に力量を集中するのは難しいため、韓国が北朝鮮問題を主導的に導いていくべき」など、現政権の路線とは違う声がたくさん出てきたからだ。 その結果、政府が南北関係の改善に向けた関心を見せ、対北朝鮮政策に異議を提起する側との疎通をさらに強化すれば、国内の葛藤はかなり解消できるはずだ。

                                  安煕昌(アン・ヒチャン)首席論説委員



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