米国務省が朝米両国の直接対話に前向きな立場を見せたことに対し、韓国政府は慎重姿勢を維持している。
対話と制裁を並行させるといういわゆる「ツートラック戦略」が本格化するものであり、米国の立場が制裁から対話に急旋回するわけではないということだ。こうした点から、政策基調の転換に解釈する米メディアとは隔たりを見せる。
外交通商部(外交部)の高官は13日「米国は常に対話の扉を開けている。対話を排斥または拒否したことはない」とした上で「クローリー米国務次官補(広報担当)のコメントを米国の政策変更に受けとめるのは先走った解釈」という認識を示した。こうした認識は、朝米交渉が行われてもブッシュ前政権後半のように北朝鮮に必要以上のニンジンを提供し、振り回される交渉のパターンは繰り返されないという判断に基づく。
同高官は「朝米交渉が有意義なものになるためには、非核化の実質的な進展につながらねばならないが、これは結局北朝鮮の真正性ある意志表明や実践次第だという韓米両国の共通した認識にも変わりがない」とし、行き過ぎた解釈を警戒した。外交部のこうした態度にはいくつかの根拠がある。
同高官は、朝米交渉を進めるという立場について「米政権で北朝鮮政策を統括するボズワース特別代表が北東アジアを歴訪する際、緊密に調整されたもの」という点を強調した。当時、韓米両国は北核問題をめぐる6カ国協議に先立って朝米交渉を行う案の有用性について話し合い、ボズワース氏は6カ国協議の「促進(facilitate)」に向けた朝米交渉を進めるという立場を示した。
この過程で、北核問題をめぐる本格的な交渉は朝米協議ではなく6カ国協議で行うべきであり、朝米交渉を先行させる場合、当面は北朝鮮を6カ国協議の枠組みに戻らせることに全力を尽くすという考えも確認したということだ。そうすることさえできれば、通米封南(米国と通じ韓国を封鎖する)への懸念は消える。対話と制裁を並行するという米国の立場にも変わりがないと政府当局は見ている。
これは「強・穏戦略」のうち、どちらかの一方だけでは北朝鮮の巧みな戦術に振り回されやすいというかつての経験からはじまった。制裁を通した圧迫を強めつつ、同時に対話を進める戦略は「制裁だけでは(北朝鮮を動かすのに)限界がある」という判断によるものだ。だからと言って始まったばかりの制裁を解除するのは有効な圧迫の手段を自らあきらめる結果になるという認識にも韓米当局は一致したという。
朝米交渉が実現する時点についても韓国政府は「10月下旬または11月ごろになって可能になるだろう」という見方を示す。国連総会(9月21-25日)をきっかけに関係国がもう一度意見を調整し、北朝鮮の狙いを探るためにはそれぐらいの時間がかかるということだ。こうした観測には、北朝鮮との対話は十分な準備を経て最大限慎重を期すべきだという韓国政府の希望が一定部分で反映されているものと考えられる。
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対話と制裁を並行させるといういわゆる「ツートラック戦略」が本格化するものであり、米国の立場が制裁から対話に急旋回するわけではないということだ。こうした点から、政策基調の転換に解釈する米メディアとは隔たりを見せる。
外交通商部(外交部)の高官は13日「米国は常に対話の扉を開けている。対話を排斥または拒否したことはない」とした上で「クローリー米国務次官補(広報担当)のコメントを米国の政策変更に受けとめるのは先走った解釈」という認識を示した。こうした認識は、朝米交渉が行われてもブッシュ前政権後半のように北朝鮮に必要以上のニンジンを提供し、振り回される交渉のパターンは繰り返されないという判断に基づく。
同高官は「朝米交渉が有意義なものになるためには、非核化の実質的な進展につながらねばならないが、これは結局北朝鮮の真正性ある意志表明や実践次第だという韓米両国の共通した認識にも変わりがない」とし、行き過ぎた解釈を警戒した。外交部のこうした態度にはいくつかの根拠がある。
同高官は、朝米交渉を進めるという立場について「米政権で北朝鮮政策を統括するボズワース特別代表が北東アジアを歴訪する際、緊密に調整されたもの」という点を強調した。当時、韓米両国は北核問題をめぐる6カ国協議に先立って朝米交渉を行う案の有用性について話し合い、ボズワース氏は6カ国協議の「促進(facilitate)」に向けた朝米交渉を進めるという立場を示した。
この過程で、北核問題をめぐる本格的な交渉は朝米協議ではなく6カ国協議で行うべきであり、朝米交渉を先行させる場合、当面は北朝鮮を6カ国協議の枠組みに戻らせることに全力を尽くすという考えも確認したということだ。そうすることさえできれば、通米封南(米国と通じ韓国を封鎖する)への懸念は消える。対話と制裁を並行するという米国の立場にも変わりがないと政府当局は見ている。
これは「強・穏戦略」のうち、どちらかの一方だけでは北朝鮮の巧みな戦術に振り回されやすいというかつての経験からはじまった。制裁を通した圧迫を強めつつ、同時に対話を進める戦略は「制裁だけでは(北朝鮮を動かすのに)限界がある」という判断によるものだ。だからと言って始まったばかりの制裁を解除するのは有効な圧迫の手段を自らあきらめる結果になるという認識にも韓米当局は一致したという。
朝米交渉が実現する時点についても韓国政府は「10月下旬または11月ごろになって可能になるだろう」という見方を示す。国連総会(9月21-25日)をきっかけに関係国がもう一度意見を調整し、北朝鮮の狙いを探るためにはそれぐらいの時間がかかるということだ。こうした観測には、北朝鮮との対話は十分な準備を経て最大限慎重を期すべきだという韓国政府の希望が一定部分で反映されているものと考えられる。
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