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大前研一氏「米国の金融危機後遺症、5-10年後に出てくる」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 「米国は今後、長いあいだ苦労するだろう。回復しているように見えるが、今の対策は古いケインズ方式なので通用しない。古い経済学ではなく新しい経済学、消費者の心理を読む21世紀の経済学を活用しなければ状況を変えるのは難しい」

日本最高の未来経済学者である大前研一ビジネスブレークスルー学長は、世界経済は今後さらに厳しくなる可能性がある、と予想した。大前氏は最近、東京で中央日報のインタビューに応じ、「米国は日本の前轍を踏むしかなく、後遺症はこれから本格化するだろう」と述べた。

--金融危機は解消されたのか。


「そうではない。日本の経験からして、金融危機を迎えれば3段階にわたり後遺症が出る。まずは流動性不足だ。次は資本不足で、3つ目は企業の貸し渋りが発生する。今は流動性不足が解消された段階にすぎない。これから徐々に銀行など金融機関の資本不足が生じるだろう。日本の経験がこれを物語っている。米国も日本の前轍を踏むことになるだろう。日本では北海道拓殖銀行に続き、日本長期信用銀行、山一証券などが資本不足で破綻した。その次にはダイエーなど一般企業が倒れた。米国で本格的な後遺症は今後5-10年後に出てくるはずだ」

--資本不足を懸念しているが、市中に資金があふれ、4-6月には大型銀行が利益を出している。

「あふれる市中資金が銀行の資本金ではない。次第に銀行が倒れるようになっている。‘大馬不死’なので大型銀行は大丈夫だろう。今の政策では大型銀行は利益を出せる。しかし小さな銀行は厳しい。米国も同じだ。数千の地方銀行が苦しんでいる」

--経済指標が次々と回復しているが、その理由は。

「クリントン政権からブッシュ政権まで16年間にわたる米国の繁栄は、米国の外から資金が流入したからこそ可能だった。米国政府は国債を売り、企業は株式市場で資本を引き込み、個人は貸し出しを受けて多くの金を使った。今では個人の金は底をつき、企業・政府も海外から金を借りられず、売れるほどの金融商品もなくなった」

--財政投入は効果を上げたのか。

「先進国ではそれほど効果がない。先進国は個人がお金を持っている。日本の場合、北海道にいくら高速道路を作っても消費心理は変わらない。すなわちお金を持っている人たちが金を使わなければ景気は良くならない。日本では経済規模の60%、米国の場合は65%を個人消費が占めている。日本はバブル後遺症から抜け出すために15年間に300兆円を使っても効果がなかった。先進国の成熟経済にケインズ政策は効果がない」



大前研一氏「米国の金融危機後遺症、5-10年後に出てくる」(2)


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