先日、オーストラリアのある日刊紙が金宇祥(キム・ウサン)駐オーストラリア大使をベスト外交官に選んだというニュースを聞いた。 同紙は、金大使がオーストラリア首相をはじめとする有力政治家に自由に会える「力のある外交官」と紹介した。 駐在国の影響力ある人物との幅広い人脈を外交官の最も大きな競争力と見なしたのだ。 韓国の外交官の中でこうした能力を備えている人はどれくらいいるだろうか。
今年初め政府関係者がヨーロッパ視察に来た。 ヨーロッパの数カ国の改革を学ぶ目的だった。 政府派遣団は韓国大使館に対し、ある政治家との会談をあっ旋してほしいと要請した。 しかし該当国の大使はその政治家との連絡先どころか、名前さえも知らなかったという。 韓国の新聞に何度も紹介されているにもかかわらずだ。 会談はもちろん実現しなかった。 大使館の関係者は「駐在国の高位層との交流は大使の役目だが、そういうものがなく下の者だけが苦労している」と吐露した。
別のヨーロッパの大使館に先日、駐在国の情報部から電話があった。 「韓国大使館から送ってきた文書がすべて一人の名前になっているが、それは一体誰なのか」ということだった。 その人物は外交官ではなく現地で採用した行政職員だった。 外交官が駐在国の言語に自信がなかったり、担当者との接触が面倒なため、現地職員に文書作成をすべて任せていたということだ。
採用する時までは最高のエリートの外交官が競争力を失っていくのは誤った慣行のためだ。 数年前パリへ国会議員が出張に来たときだった。 その日、韓国大使はちょうどフランス政府の行事に招待されていた。 フランスの高位関係者に会える貴重な機会だったため、議員の出迎えではなく現地の行事を選択した。 空港に到着した国会議員に大使館の職員が事情を説明すると、数人の議員は「大使を教育し直してやる」と怒鳴った。 したがって大使・公使ら高位外交官は本業は後回しにし、韓国からの‘お偉い’客を出迎えに1年間に数十回も空港を行き来するしかない。
大使館には外交活動費というものがある。 外交官が現地で人脈を築くのを支援する費用だ。 その使用内訳は3級秘密のため一般人は分からないが、この費用のほとんどが国会議員と政府関係者など韓国からの客の食事代として使われる。 ある大使館の関係者は「規模が大きい大使館の場合、外交活動費のほとんどが韓国からの客を接待するのに使われる」と話した。 接待しなければ後で何と言われるか分からないためやむを得ないという。
教育制度にも問題がある。 先日会ったフランスの中堅外交官は「フランスは主要国に外交官を送る前、該当国の政府でインターンをさせる」と話した。 その彼もワシントンで働く前に米国務省で研修したという。 1年間、米国政府のシステムに十分に慣れ、公務員とも交流したというのが彼の説明だった。 韓国も外交官研修があるが、ほとんど語学研修レベルにすぎない。 李明博(イ・ミョンバク)大統領が就任初期に「外交部に不満がある」と述べたのを思い出す。 こうした浪費だらけの慣行を改めるだけでも、韓国外交官の競争力は大きく高まるのではないかと思う。
【今日のイチオシ記事】
・ 「韓国が嫌いならば去れ」未熟な愛国主義
・ 国家競争力順位はなぜ1日で上下する?
・ 統一部「北、善良な隣人ではない」
・ 韓国CO2排出쪗世界9位
・ ルー・ゲーリック病の役作りで20キロも減量したキム・ミョンミン
・ 外国人保有の土地、ソウル市の面積の36%に相当
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別のヨーロッパの大使館に先日、駐在国の情報部から電話があった。 「韓国大使館から送ってきた文書がすべて一人の名前になっているが、それは一体誰なのか」ということだった。 その人物は外交官ではなく現地で採用した行政職員だった。 外交官が駐在国の言語に自信がなかったり、担当者との接触が面倒なため、現地職員に文書作成をすべて任せていたということだ。
採用する時までは最高のエリートの外交官が競争力を失っていくのは誤った慣行のためだ。 数年前パリへ国会議員が出張に来たときだった。 その日、韓国大使はちょうどフランス政府の行事に招待されていた。 フランスの高位関係者に会える貴重な機会だったため、議員の出迎えではなく現地の行事を選択した。 空港に到着した国会議員に大使館の職員が事情を説明すると、数人の議員は「大使を教育し直してやる」と怒鳴った。 したがって大使・公使ら高位外交官は本業は後回しにし、韓国からの‘お偉い’客を出迎えに1年間に数十回も空港を行き来するしかない。
大使館には外交活動費というものがある。 外交官が現地で人脈を築くのを支援する費用だ。 その使用内訳は3級秘密のため一般人は分からないが、この費用のほとんどが国会議員と政府関係者など韓国からの客の食事代として使われる。 ある大使館の関係者は「規模が大きい大使館の場合、外交活動費のほとんどが韓国からの客を接待するのに使われる」と話した。 接待しなければ後で何と言われるか分からないためやむを得ないという。
教育制度にも問題がある。 先日会ったフランスの中堅外交官は「フランスは主要国に外交官を送る前、該当国の政府でインターンをさせる」と話した。 その彼もワシントンで働く前に米国務省で研修したという。 1年間、米国政府のシステムに十分に慣れ、公務員とも交流したというのが彼の説明だった。 韓国も外交官研修があるが、ほとんど語学研修レベルにすぎない。 李明博(イ・ミョンバク)大統領が就任初期に「外交部に不満がある」と述べたのを思い出す。 こうした浪費だらけの慣行を改めるだけでも、韓国外交官の競争力は大きく高まるのではないかと思う。
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