北朝鮮が韓国への通報なしにダムから放水したため、北朝鮮から韓国に流れる臨津江（イムジンガン）が急に増水し、韓国人６人が死亡した事件で、玄仁沢（ヒョン・インテク）統一部長官は９日「（北朝鮮が）意図をもって放流したとみている」との認識を表した。

玄長官はこの日、国会外交通商統一委員会の質疑で「北朝鮮のダム放流が失敗によるものか、意図的なものか」という、親朴連帯・宋永仙（ソン・ヨンソン）議員の質問に対し、このように答えた。


玄長官は、与党ハンナラ党の権寧世（クォン・ヨンセ）議員が「大雨のためやむを得ず北朝鮮が放流したとみられるか」と尋ねると「そのようには考えない。雨が降ってから時間がたくさん経っていることから、（雨は）直接の原因ではないと見られる」との見方を示した。

統一部はこの日、外交通商委員会に提出した報告資料で「北朝鮮国営の朝鮮中央テレビによると、黄江（ファンガン）ダムが位置する黄海北道兎山郡（ファンヘブクド・トサングン）付近の降水量は、９月１～６日、０．２ミリにのぼった」と説明した。玄長官は北朝鮮が意図的に「水攻め」を行ったかどうかについては「北朝鮮が具体的にどんな意図をもっているかは、依然として政府が検討中だ」とし、明確な言及を避けた。

ただハンナラ党の陳永（ジン・ヨン）議員が「少なくとも北朝鮮が、自国の放流が韓国側に水害を与えると予想したとみられるか」と尋ねると、玄長官は「そう考えられる」」と答弁した。続いて、玄長官は「北朝鮮側の責任ある当局が出て、同問題についての釈明と謝罪をすべきだと考えている」と強調した。また、北朝鮮に人命被害への賠償を求める問題について「今後綿密に検討する」という立場を表した。

一方、李明博（イ・ミョンバク）大統領は９日「北朝鮮では、生命に対する認識が韓国とは異なるようだ」と指摘した。李大統領はこの日、ハンナラ党に所属する国会常任委員長団との昼食会で「韓国の船と北朝鮮の船が衝突し（北朝鮮の人々が）死んだことがあるが、当時、強く抗議をしてこなかった」とし、このように述べた、とある出席者が伝えた。

この出席者は「李大統領が“（北朝鮮が）真夜中になぜ川沿いで寝ていたのかと文句をつけてくるかもしれない”と付け加えた」と明らかにした。０７年１月、西海（ソヘ、黄海）上の北朝鮮海域で、韓国側の砂運搬船ヒョンソン号と北朝鮮の漁船が衝突、北朝鮮側の船員４人が死亡する事故があった。



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