世界経済フォーラム(WEF)の国家競争力順位で10位入りを望んでいた韓国が19位まで順位を下げたのは、後進的な労使関係と政府による部分が大きかった。
ダボスフォーラムを開催するWEFの国家競争力評価は、制度と経済、教育・労働・金融・企業など12分野について110の項目を評価して順位を付ける。今年の評価で1年前より改善した項目は15個だけだった。残りは大きく下がったが、労働市場と政府・金融市場に対する評価項目の成績が特に良くなかった。
労働市場が国家競争力の足を引っ張っている最も弱い分野だと評価された。労使間協力が131位、雇用の硬直性が92位、解雇費用が109位と、国家競争力19位の国の成績とは信じがたいほどの最下位圏だ。労使関係は5月に発表された国際経営開発研究所(IMD)の評価でも最低水準だった。
政府の政策遂行と法制度も問題があると評価された。政府政策が変わることを国民がどれだけ知っているかを評価する項目は昨年の44位から100位に落ち込んだ。このほか政府規制負担が98位、法体系の効率性が69位、政治家の信頼度が67位など下位圏が並んだ。金融危機で銀行の貸付が厳しくなり、銀行健全性に対する懸念が出たことから金融市場の成熟度に対する評価も大きく悪化した。
それでも国家競争力順位が20位圏外に押し出されなかったのは、11位の企業革新、15位の技術、16位の教育・訓練のおかげだった。特に高等教育就学率は1位だった。学校のインターネットアクセス度とインターネット加入者、鉄道インフラの室、発明特許件数、海外市場規模も10位圏内の高い点数を取った。
政府は衝撃を受けているようすだ。これまで「韓国が経済危機を最も早く克服した」という称賛を受けてきたことから、順位が上がるという期待が大きかったためだ。意外な結果が出た理由について政府は、アンケートへの依存度が高い評価方法のせいだと転嫁した。WEFは110項目のうち3分の2を超える78項目を、各国の企業関係者を対象にしたアンケート調査で評価した。主観的要素が多く介入するため調査当時の雰囲気により順位が上下するということだ。
企画財政部の李大熹(イ・デヒ)競争力戦略チーム長は、「アンケート調査は調査時点前後の状況に敏感に反応するが、特に今年は調査時期が良くなかった」と述べた。アンケートが行われた5月に双竜(サンヨン)自動車がストを行うなど労使関係が相当に不安になったため、労働分野の評価が悪化したのだ。「ビジネスフレンドリー」を掲げる政府の政策に対する評価が悪かったのも経済がよくないために悲観的な認識が広まっていたことと無関係ではないと政府は分析している。
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