国際通貨基金(IMF)が来年の世界経済成長見通しを2.9%に引き上げた。これまでの見通しは2.5%だった。また今年の成長率もマイナス1.3%とし、4月に出した見通しより0.1ポイント上方修正した。
ロイター通信は5日、独自入手したIMFの報告書を引用しこのように報道した。主要国の経済が予想より早く回復する点を反映し、4月に発表した見通しを修正したものだ。
IMFは日本、米国、英国など主要先進国の今年の国内総生産(GDP)成長見通しもマイナス3.8%からマイナス3.7%に引き上げた。これら先進国の来年の成長見通しも0.6%から1.0%に大きく上方修正した。
国別では欧州連合(EU)と日本、ドイツなどで今年の成長見通しが上がったが、米国と英国はそれぞれマイナス2.9%とマイナス4.5%と従来の予想値より悪化するとの見通しを示した。
来年はほとんどの国でGDP成長率がこれまでの見通しより改善するとIMFは予想した。ただ日本のGDP成長見通しはこれまでと同じ1.7%を維持した。
IMFはこうした内容を盛り込んだ報告書を今週中に正式に発表する予定だ。
一方、IMFのストロスカーン総裁は4日、ベルリンで行われた独連邦銀行カンファレンスに出席し、「世界経済が沈滞局面から脱しているように見える」としながらも、「性急な出口戦略は景気回復を中断させる危険がある」と指摘した。
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