今後の３年間にわたりＫＢＳテレビ（韓国放送公社）の経営を監視、監督することになる新しい理事会がスタートした。

ＫＢＳの理事会は一昨日、孫炳斗（ソン・ビョンドゥ）前西江（ソガン）大学総長を理事長に選任するなど役員の構成を終えた。来週からは経営現況の報告を受け、遅くとも来月中には経営改善の案を打ち出す。ＫＢＳ経営革新の柱は、公正性の回復と経営収支の改善だ。最近、自主的に経営を診断した内容をまとめた報告書は、報道と番組の公正性・客観性に問題があるとしている。


公営放送としては致命的な問題点と言わざるを得ない。媒体の信頼性が落ちるのもそのためとみられる。０７年に４３．１％だった信頼度は昨年２９．９％に墜落した。新任の理事長が就任の一声として「（英国の）ＢＢＣのように公正な放送を作りたい」と明言したのは、こうした現実を反映したものと考える。


しかし公正な放送が言葉だけで実現するものではない。役職員の骨身を削る自省と信頼回復に向けた制度的な装置を作らねば、口頭弾で終わる可能性が高い。新しい理事会は先進諸国の経験を十分検討し、効率性を備えた公正放送の監視体制を築かなければならないだろう。公正性の回復に劣らず経営収支の改善も重要だ。公営放送の目標は黒字ではなく、社会全体の利益を具現することにあるが、自ら自立できるほどの収益性は必要とされる。

しかしこれまでＫＢＳの経営方式は逆に不良かつ放漫だった。０４年以降の４年間、累積赤字が１１７２億ウォン（約９０億円）にのぼるが、賃金と福祉の水準は公企業最高の水準を維持している。経営陣と労組が「互いにとってお得な」具合で談合してきた結果と考えるほかない。政府はＫＢＳの収支改善策のひとつとして受信料の引き上げを進めているが、これでは国民を説得できる名分がない。

役職員の骨身を削る自力再建への努力が前提になってこそ、受信料の引き上げにも弾みがつくことになる。新しい理事会はこの際、厳しい自力再建の努力を含めた構造再編計画をＫＢＳに注文すべきだ。国民がＫＢＳに望んでいるのは公正かつクォリティの高い放送であるだけだ。新しい理事会を迎えたＫＢＳが呼吸を合わせて国民の放送に生まれ変わるよう願いたい。



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