「花火みたいな人生だった女優」－－。

１日午後４時３分に死去した女優チャン・ジニョンさん（３８）にぴったりの修飾語だ。


チャン・ジニョンさんはジャンルとキャラクターを選ばず、渾身の力を尽くして作品に没頭した真の女優だった。心を病む女性（鳥肌）、自由奔放な女性（オーバーザレインボー）、余命いくばくもないがん患者（菊花の香り　～世界でいちばん愛されたひと～）、誕生日に振られたオールドミス（シングルス）、韓国初の女性パイロット（青燕）、高級サロンホステス（恋愛、その耐えられない軽さ） など多様なジャンルで活躍した。

スター級女優たちが気軽には演じないキャラクターにも敢然と挑戦し、作品の完成度を高めて韓国映画界の宝石のような存在として認められた。

２０代になってから芸能界に跳びこんだ分、演技に対する準備は不足だった。１９９６年ドラマ「私の中の天使」で女優生活を始めたチャン・ジニョンさんはデビューしたばかりのころは美人女優の一人にすぎなかった。そんな彼女が大型女優となった作品は「鳥肌」だった。子を失ってやつれたままたたばこを吸うチャン・ジニョンさんの演技は血なまぐさく、落ち込んだ人間の心理を演じきったと好評を博した。この映画で彼女は２００１年青龍映画祭主演女優賞を受賞した。

以後、チャン・ジニョンさんはロマンチックコメディー「オーバー・ザ・レインボー」、悲しい恋愛映画「菊花の香り」、ヒューマンブロックバスター「青燕」など多様なジャンルで深みのある演技力を見せた。

ジャンルの境界線を越え、演技の領土を広げて行った。溌剌としながらも物静か、温かながらもクールなイメージは老若男女を問わず、好感をもってもらえる魅力として作用した。

映画の遺作となった「恋愛、その耐えられない軽さ」でチャン・ジニョンさんは純粋な心をもつルームサロンホステスを演じた。水が流れるように自由奔放な演技で好評を博し、２００６年大韓民国映画大賞主演女優賞に輝いた。

以後、彼女はＳＢＳ「ロビイスト」で８年ぶりにドラマに復帰した。魅惑的な武器ロビイストを演じ、視聴者を魅了した。映画界に続き、ドラマ界でもトップクラスの女優となった。しかし「ロビイスト」は結局チャン・ジニョンさんの遺作となった。全世界を歩き回って武器市場を掌握したヒロインの姿がファンの中に残る最後のチャン・ジニョンさんの姿となった。



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