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「政府と関係機関団体、国民に心配をかけて申し訳ありません。早く帰って来られるようにと声援してくれたことに対し、厚くお礼申し上げます」--。
30日午後8時27分、束草港の埠頭。船員3人とともに東海上でイカを釣っていたところ衛星位置確認システム(GPS)の故障で北方限界線(NLL)を越え北朝鮮側に拿捕された後、1カ月ぶりに帰港したヨンアン号船長パク・グァンソンさん(54)は船員たちと並んで立ち国民にあいさつした。機関士キム・ヨンギルさん(54)と船員イ・テヨルさん、(52)キム・ボクマンさん(54)ら船員たちは落ち着いていたが、無事帰還した安堵感と家族に会う期待感で、ときどき興奮した表情を見せた。パク船長はNLLを越えたことについての取材陣の質問には「関係調査機関に話す」と具体的な返事を避けた。
「27日夜、夢に夫が現れ、声も聞いた。この日を待っていた」というパクさんの夫人、イ・アナさん(49)ら船員の家族たちはヨンアン号到着40分前に船員たちに会うため港を発った。1カ月間、生死が分からぬまま夫を待っていた夫人たちの目頭は赤かった。
金剛山観光代金、現物支給できないか
「10年間、莫大な金を支援したが、その金が北朝鮮社会の開放を助けることに使われず、核武装に利用されたという疑惑が起こっている」李明博大統領が先月ヨーロッパ歴訪中に言及した内容だ。北朝鮮が核兵器放棄に前向きにならない限り、核とミサイル開発用途に転用され得る現金支援はしないという意志とみられた。李大統領は青瓦台内部会議でも何回も現金支給の問題点を取り上げたという。10~17日に訪朝した玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代峨山会長が北側のアジア太平洋平和委員会と金剛山・開城観光再開などで合意したが「私的な合意で再開までは注意深く見る必要がある」というのが政府全般の気流だ。
千海成(チョン・ヘソン)統一部スポークスマンは25日「金剛山観光中断のきっかけだった観光客、故パク・ワンジャさん銃殺事件に対する真相究明と謝罪、再発防止及び身辺安全保障のための装置がなければ観光は再開できない」とした。
ここにまた一つ条件が検討されている。北朝鮮にドルで支給される金剛山・開城観光代金を現物に切り替える問題だ。
政府高位当局者は29日「金剛山観光や開城工業団地事業が国連安保理制裁決議1874号を法的に違反するものではなく、事業を続けることはできるが北朝鮮が核放棄の姿勢を見せない状況では現金支給方法は再考されなければならない」と言った。非核化に進展のない状況で北朝鮮に現金を送る問題は国連安保理決議案を別にして政府が原則的に懸念する部分という話だ。ほかの高位当局者は「現物転換など金剛山観光再開と関連するさまざまな問題を検討中」とし「南北政府間会談が行われた後、北朝鮮の態度などを見て具体化するはずだが、先に対話を申し入れるつもりはない」と述べた。
政府は最近、北朝鮮がミャンマーに武器を販売した後、代金をドルではないコメで受けとった事例を確認した。政府関係者は「住民たちに渡るコメと生活必需品が支給されている」と話した。
→「核開発に使用はNo」現金ではなく現物で代金支給を検討(2)
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