秋山成勲（＝秋成勲）は挑戦の集積体だ。 いや、挑戦という言葉が秋山を締めつけているのかもしれない。

秋山は０４年に格闘技に入門した後、絶えず自分自身に‘ベッティング’してきた。 プロボクシング元ＩＢＦヘビー級チャンピオンのフランソワ・ボタ（腕ひしぎ十字固め）、‘打撃マシン’メルビン・マヌーフ（腕ひしぎ十字固め）、‘バトルサイボーグ’ジェロム・レ・バンナ（ＫＯ敗）のほか、デニス・カーン（ＫＯ勝）、桜庭和志（無効）、三崎和雄(無効）らと対戦した。


ほとんどすべて不利な試合であり、最初から最後まで挑戦だった。 秋山は「自分が好きなこと、できることをする。 挑戦者の姿勢で全力を尽くすだけ。 自分に特別なものはない。 自分より強いものに挑戦しながら自分が発展すると信じている」と語った。 また「かといって世間に敵がい心を持っているのではない」と言って笑った。

秋山は昨年２試合しかしなかった。 過去のような見ごたえある対戦ではなく、弱い相手を選んで戦っているという声が出始めた。 韓国で芸能人に劣らないほど人気が高まり、挑戦精神を失ったのではないかという見方も強まった。 元所属団体Ｋ－１との再契約がなくなると、多くの人は秋山の格闘技人生は終わったと考えた。

発言を控えてきた秋山が３月、格闘技のメジャーリーグであるＵＦＣ進出を宣言した。 そして先月１２日、「ＵＦＣ１００」大会でアラン・ベルチャー（２５、米国）に判定勝ちした。

グラウンド技術を使えばもう少し楽に勝てる試合だった。 しかし秋山は打撃戦にこだわった。 腫れ上がった左目から血が流れても手足を出し続けた。 世界最高の舞台で東洋人の限界線を越える前進だった。 秋山は米国人が驚くほどの闘志と技術を見せた。 この試合は「ファイト・オブ・ザ・ナイト」に選ばれた。

秋山は相変わらず挑戦者だった。 秋山にもう一度挑戦について尋ねた。 秋山は「極端な表現かもしれないが、私は戦争を経験していない世代だ。 それで私が望むような闘争心を経験していない。 だから戦争をするように生きていかなければならないというか…自分にとって挑戦とはそういうものだ」

ちょうど秋山は国防色のＴシャツを着ていた。黒く日焼けした顔にミリタリー服。秋山にとっては日常が戦争なのかもしれない。