「羅老(ナロ)宇宙センターの第1段ロケットの周辺はまるでロシアのようだった。ロシアの技術陣が160人も常駐し、韓国科学者と作業をしたが、水と油のようだという印象を受けた」。25日、羅老号打ち上げ前に全羅南道高興(チョンラナムド・コフン)外羅老島(ウェナロド)の羅老宇宙センターへ行ったある科学者の所感だ。
実際、ロケット組み立て作業中でない時も韓国の科学者がロシア製ロケットの写真を撮ったり内部をのぞこうとすると、ロシア技術陣の中のセキュリティー要員らにとめられた。19日の打ち上げカウントダウン中、自動で打ち上げを停止させたソフトウェアを修理する時も、韓国技術陣は参加できなかった。このため一つでも多くのことを学ぼうとする羅老宇宙センターの韓国科学者とロシア科学者の間では常に神経戦が絶えなかった。
こうした現場の雰囲気は、熱心に見たり聞いたりする記者らに‘技術弱小国’の悲しみを実感させた。打ち上げ日の決定も、打ち上げの延期も、技術的欠陥の解決も、すべてロシア側の反応を気にしなければならなかった。羅老の核心である1段目のロケットの製造と打ち上げ統制技術をロシアがすべて持っているためどうしようもなかった。
莫大な金額を支払って韓国から打ち上げることになったが、核心技術を提供したロシアの態度は高慢だった。こういう出来事もあった。今月初めロシア側がロケットエンジン燃焼試験に関して技術的に検討する点があるとし、11日に予定された打ち上げを延期しようと突然通知してきた。問題は、国家間の公文書は英語を書くという国際慣例を無視し、ロシア語の公文書を送ってきたのだ。しかも打ち上げ日や打ち上げ延期と密接な関係がある重要文書であるにもかかわらずだ。
このように融通のきかないロシアをなぜ私たちは技術パートナーに選んだのか。それは友邦という米国でさえも長距離ロケットに関する技術を譲ろうとしなかったからだ。一部の先進国はあまりにも大きな金額を要求した。技術が不足した国はこうした惨めな思いだけでなく、さまざまな点で譲歩して不必要な国益損失を覚悟しなければならない。
政府と科学界も今回の失敗をきっかけに、いまや‘宇宙強国’の未来についてもう少し戦略的に考慮しなければならない時期になった。国際社会のけん制の中で宇宙開発を圧縮達成しようとする過程で、非常に大きなリスクを背負い、過度な費用を払っているのではないか、また長距離競走のようなロケット自力開発を選挙公約を履行するように焦り過ぎてはいないか、もう一度確かめなければならない。宇宙開発の成果は投じた予算と努力の分だけ出てくる。
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