李明博大統領が23日午前、青瓦台で金己南北朝鮮朝鮮労働党書記と会談している。会談には金養建同党統一戦線部長も同席した。 |
北朝鮮の弔問団が持ってきた意外なカードにより、青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府が対応づくりに没頭している。
金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党統一戦線部長が韓国政府に伝えた「金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長との3回目の南北(韓国・北朝鮮)首脳会談」という提案がもたらす波紋が少なくないという判断からだ。もちろん政府は内部的に「公式の提案というよりは、打診のレベル」という立場を取っている。政府の判断によると、ひとまず南北当局間の関係を全面的に復元しようという金委員長の意向は確固たるものとみられる。
主要当局者は「金委員長が今年5月に核実験など自身が主導し韓半島にもたらした緊張の局面で、これといった所得を得られなくなると、和解モードへの転換を図っているようだ」とした後「8月4日、ビル・クリントン元米大統領との会談や、16日に行われた現代(ヒョンで)グループ・玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長との会談も、その地ならしにあたる」という認識を示した。
金委員長はひとまず首脳会談を提案することで「李明博(イ・ミョンバク)大統領が対話の相手であること」を明確にした。ある当局者は「太陽(包容)政策の下で合意した2000年6月15日の南北共同宣言や、07年10月4日の南北首脳会談の合意を履行しろという強要から、李明博政権を新しいパートナーとして合意する方に戦略を見直したもの」という見方を表した。
突然な対南(韓国)政策の転換による負担感は、金大中(キム・デジュン)元大統領の逝去に伴う「特使弔問団」の派遣を通じ減らそうとしたということだ。関係当局の解釈によれば、当初、金己男(キム・ギナム)書記ら一行を「弔問団」と表現していた北朝鮮が、21日、北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を発つ時点から「特使弔問団」に呼称を変えたのも、青瓦台会談を視野に入れたものだ。
青瓦台当局者は「北朝鮮も出口が必要だったのでは」とし、こうした転換の背景を説明した。だが政府は首脳会談の提案など北朝鮮の相次ぐ柔軟姿勢に巻き込まれうるという判断により、その意図を綿密に分析している。わずか数カ月前に「ソウルを火の海にする」と威嚇していたのに、突然大々的な「平和攻勢」に転じる背景が疑わしいということだ。
北朝鮮・中央通信は23日にも「李明博政権の反人民的な悪政」などと韓国政府に非難を浴びせた。青瓦台会談で「李大統領が韓国政府の一貫かつ確固たる対北政策の原則を説明した」という李東官(イ・ドングァン)青瓦台スポークスマンの伝言は、こうした雰囲気を示す。会談の雰囲気についても青瓦台当局者は「(北朝鮮は)柔らかく(韓国は)真剣だった」と伝えた。万一でも北朝鮮に、南北関係の主導権を奪われるかもしれないという懸念を意識したかのように、北朝鮮が頭を下げた点を強調したのだ。
北朝鮮が提案した「首脳会談開催」の方向に政府が足早に動くには障害物も少なくない。核実験を受けた国際社会の対北制裁の動きのためだ。南北首脳会談は▽核廃絶▽北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議への復帰――などといった明確な措置を北朝鮮が先に取る、という大前提が充足されねばならない。北朝鮮が提案した「対話」という一言にこれまでの対北政策の原則が揺れるという批判も苦しい部分だ。
ある当局者は「会談をきっかけに南北関係が改善されるのか」という質問に「新たなスタートとなるだけで、あらかじめ予断する必要はない」とした。政府のこうした慎重な姿勢から考えて、まずは秋夕(チュソク、中秋、10月3日)の離散家族再会など人道レベルの懸案を解決することから、関係回復の第一歩を踏み出すことになるのとみられる。李大統領と会談した弔問団が言及してはいないものの、北朝鮮も韓国側の呼応を得るため、金委員長がすでに軍部に指示済みのヨンアン号船員らへの解放措置を取るかもしれない。
◇メッセージの内容に閉口する青瓦台=青瓦台当局者は「敏感な性質であるため、金委員長のメッセージの内容を公開しない」とした。青瓦台は「メッセージそのものが敏感だからではない」とした上で「(首脳間で交わされたメッセージは)公開しない慣例だから」とのみコメントしている。
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