22日、故金大中(キム・デジュン)元大統領の北朝鮮特使弔問団が留まっているソウル弘恩洞(ホンウンドン)グランドヒルトンホテル。 00年以来、韓国を訪問する北朝鮮代表団の宿舎として利用されているところだ。 国内・海外の取材陣が集まり警察が警備するホテル周辺の風景は過去と同じだが、南北当局間の神経戦は以前の南北対話とは明らかに違った。 金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長の側近である金己男(キム・キナム)労働党秘書と対南総責の金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長が青瓦台(チョンワデ、大統領府)の李明博(イ・ミョンバク)大統領を表敬訪問すると要請し、一日中、その回答を待つ状況となったためだ。 ソウル入りした北朝鮮代表団の青瓦台(チョンワデ、大統領府)訪問要請を速かに受け入れた金大中・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権とは違う姿だ。 玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長が最近、金委員長に会えずに滞在日程を5度も延長したように、苦心するのはいつも韓国側だった。
◇高麗航空、5時間待って引き上げる
北朝鮮は22日、一日中、積極的な姿勢を見せた。 南北関係を進展させるために李明博大統領を表敬訪問する必要があると述べた。 この日午前、金大中・盧武鉉政権時代の閣僚である林東源(イム・ドンウォン)・鄭東泳(チョン・ドンヨン)・李鍾ソク(イ・ジョンソク)元長官らとの「民間人との朝食会」から始めた。 その席にいた金徳竜(キム・ドクリョン)大統領国民統合特別補佐を通して、この話は青瓦台に伝えられた。
その後、午前10時20分、玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官と金養建部長が前日夜の合意に基づき李明博政権に入って初めての高官会談を行った後、北代表団の青瓦台訪問が迫っているという観測が広がった。 双方は予想以上に長い1時間20分の会談で南北の懸案全般について議論し、金部長が「李明博大統領を表敬訪問したい」という意向を積極的に表明したためだ。 会談には韓国側から金千植(キム・チョンシク)統一部統一政策室長、北側から元東延(ウォン・ドンヨン)朝鮮アジア太平洋平和委員会室長がそれぞれ同席した。 金部長は正式会談の前の公開歓談でも「会う機会がほとんどなかった。 現在の政権になって初めて当局間の高位級対話であるだけに、虚心坦懐に話を交わせることを希望する。 多くの方と会う過程で南北関係が急速に改善されなければならないという気がした」と語った。
会談が始まる前、青瓦台訪問の可能性について「今は話しにくい」と述べた玄長官は、会談が終わった後、「北朝鮮弔問団は日程通り帰国するのか」という質問に対し「時間が少し遅れる可能性もある」と述べ、金部長が青瓦台を訪問するという予測を後押しした。
青瓦台の関係者もこの日、玄長官の会談が始まる前、「弔問団が一日滞在日程を延ばせない理由はない」と述べ、こうした観測は強まった。
しかし会談後、その雰囲気は薄れた。 李明博大統領は午後1時30分、青瓦台外交安保ライン参謀が出席した中、玄長官から金部長の青瓦台訪問意思および会談の結果について報告を受け、慎重に議論したが、北側には「会談は確定していない」という言葉を伝えた。 北側は待たざるをえなかった。
当初、北朝鮮代表団は午後2時に出発する計画を韓国側に通報し、高麗航空チャーター機はこの日午後1時ごろ金浦(キンポ)空港に到着して待機していた。
北側代表団が洪良浩(ホン・ヤンホ)次官の主宰で韓国側当局者と昼食を終えた直後の午後2時40分、ホテル周辺のポリスラインの警戒がまた強化され、一時は北側代表団が表敬訪問をあきらめて帰るのではという分析も出てきた。
◇青瓦台「当局対話の原則を確認」
李明博大統領はなぜ南北関係の転機になりうる北側弔問団の青瓦台表敬訪問を即時に受諾しなかったか。 李大統領のこの日、日程にやや余裕があった。 京畿道(キョンギド)のある地域を訪問し、「庶民」と接することになっていたが、国葬期間であることを勘案して取り消した。 表敬訪問を受けようとすれば時間は十分にあった。 表敬訪問を受け入れないという意志も感じられた。 外交安保分野の関係者は「統一部長官の夕食会は弔問使節を優遇する儀典レベル、また南北対話の基本原則を今回の機会に確立するという2つの側面がある」と話した。 青瓦台の関係者は「この日昼、玄長官の大統領報告で夕食会の内容を見た後、表敬訪問を認める方針が決まった」と述べた。
政府当局者は「北朝鮮が‘通民封官’式に態度を見せて葛藤を起こしたいるのに(表敬訪問を受け入れることは)あり得ない」と述べた。 北朝鮮が玄貞恩・現代峨山(ヒョンデ・アサン)会長を招待した後、拘束中だった現代峨山職員のユさんを解放し、離散家族の行事を通報したことに対する不快感だ。 「ヨンアン号」船員の解放を要求する韓国当局の対話の提案は無視し、金大中平和センター側を通じて弔問使節を送ることを通報した点も同じだ。 事前調整なく会えば、以前の政府の10・4合意に対する財政負担も負うことになるという計算も慎重な姿勢の背景となった。 青瓦台の関係者は「南北関係の局面転換を望むため形式には柔軟に対応するが、支援をしても振り回される旧態を踏襲しないというのが大統領の考え」と述べた。 別の関係者は「今後、南北対話は時間がかかっても襟度と格調を持って進めていくというのが青瓦台の方針」と述べた。 国内保守勢力の批判を意識したものだという分析もある。
◇「追い込まれているのは北朝鮮」
政府のこうした姿勢の背景には、弔問政局を通した北朝鮮の対南攻勢が南北関係の全面的転換というよりも、朝米直接対話のための雰囲気をつくり、核実験以降の国際社会の制裁圧力を弱めようという戦略的要素がある、という判断がある。 政府当局者は「南北間の極限対決は朝米関係の改善に助けにならないということを北朝鮮がワシントンのメッセージを通じて得たようだ。 したがって核問題は米国と議論し、韓国とは経済交流協力を再開して経済的利得だけを得ようというのが北朝鮮の意図であると政府は見ている」と述べた。 最近の北朝鮮の動きが金大中式の太陽(包容)政策の‘功’であることを浮き彫りにし、南北関係を主導しようとしている、という見方もある。
安保理制裁後に北側が追い込まれた状況になり、今後の状況に対する主導権が南側に越えてきたという認識もある。 政府当局者は「米国が北朝鮮の朝鮮クァンソン銀行などを追加で制裁し、かなり苦しんでいる」と述べた。
この当局者は「北朝鮮が窮地に追い込まれているというのが政府の判断」とし 「われわれは国際社会とのバランスを考慮する必要がある」と語った。 南北関係を一方的に進展させられず、6カ国協議での核問題解決の進展に合せなければならない、という意味だ。
◇高麗航空、5時間待って引き上げる
北朝鮮は22日、一日中、積極的な姿勢を見せた。 南北関係を進展させるために李明博大統領を表敬訪問する必要があると述べた。 この日午前、金大中・盧武鉉政権時代の閣僚である林東源(イム・ドンウォン)・鄭東泳(チョン・ドンヨン)・李鍾ソク(イ・ジョンソク)元長官らとの「民間人との朝食会」から始めた。 その席にいた金徳竜(キム・ドクリョン)大統領国民統合特別補佐を通して、この話は青瓦台に伝えられた。
その後、午前10時20分、玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官と金養建部長が前日夜の合意に基づき李明博政権に入って初めての高官会談を行った後、北代表団の青瓦台訪問が迫っているという観測が広がった。 双方は予想以上に長い1時間20分の会談で南北の懸案全般について議論し、金部長が「李明博大統領を表敬訪問したい」という意向を積極的に表明したためだ。 会談には韓国側から金千植(キム・チョンシク)統一部統一政策室長、北側から元東延(ウォン・ドンヨン)朝鮮アジア太平洋平和委員会室長がそれぞれ同席した。 金部長は正式会談の前の公開歓談でも「会う機会がほとんどなかった。 現在の政権になって初めて当局間の高位級対話であるだけに、虚心坦懐に話を交わせることを希望する。 多くの方と会う過程で南北関係が急速に改善されなければならないという気がした」と語った。
会談が始まる前、青瓦台訪問の可能性について「今は話しにくい」と述べた玄長官は、会談が終わった後、「北朝鮮弔問団は日程通り帰国するのか」という質問に対し「時間が少し遅れる可能性もある」と述べ、金部長が青瓦台を訪問するという予測を後押しした。
青瓦台の関係者もこの日、玄長官の会談が始まる前、「弔問団が一日滞在日程を延ばせない理由はない」と述べ、こうした観測は強まった。
しかし会談後、その雰囲気は薄れた。 李明博大統領は午後1時30分、青瓦台外交安保ライン参謀が出席した中、玄長官から金部長の青瓦台訪問意思および会談の結果について報告を受け、慎重に議論したが、北側には「会談は確定していない」という言葉を伝えた。 北側は待たざるをえなかった。
当初、北朝鮮代表団は午後2時に出発する計画を韓国側に通報し、高麗航空チャーター機はこの日午後1時ごろ金浦(キンポ)空港に到着して待機していた。
北側代表団が洪良浩(ホン・ヤンホ)次官の主宰で韓国側当局者と昼食を終えた直後の午後2時40分、ホテル周辺のポリスラインの警戒がまた強化され、一時は北側代表団が表敬訪問をあきらめて帰るのではという分析も出てきた。
◇青瓦台「当局対話の原則を確認」
李明博大統領はなぜ南北関係の転機になりうる北側弔問団の青瓦台表敬訪問を即時に受諾しなかったか。 李大統領のこの日、日程にやや余裕があった。 京畿道(キョンギド)のある地域を訪問し、「庶民」と接することになっていたが、国葬期間であることを勘案して取り消した。 表敬訪問を受けようとすれば時間は十分にあった。 表敬訪問を受け入れないという意志も感じられた。 外交安保分野の関係者は「統一部長官の夕食会は弔問使節を優遇する儀典レベル、また南北対話の基本原則を今回の機会に確立するという2つの側面がある」と話した。 青瓦台の関係者は「この日昼、玄長官の大統領報告で夕食会の内容を見た後、表敬訪問を認める方針が決まった」と述べた。
政府当局者は「北朝鮮が‘通民封官’式に態度を見せて葛藤を起こしたいるのに(表敬訪問を受け入れることは)あり得ない」と述べた。 北朝鮮が玄貞恩・現代峨山(ヒョンデ・アサン)会長を招待した後、拘束中だった現代峨山職員のユさんを解放し、離散家族の行事を通報したことに対する不快感だ。 「ヨンアン号」船員の解放を要求する韓国当局の対話の提案は無視し、金大中平和センター側を通じて弔問使節を送ることを通報した点も同じだ。 事前調整なく会えば、以前の政府の10・4合意に対する財政負担も負うことになるという計算も慎重な姿勢の背景となった。 青瓦台の関係者は「南北関係の局面転換を望むため形式には柔軟に対応するが、支援をしても振り回される旧態を踏襲しないというのが大統領の考え」と述べた。 別の関係者は「今後、南北対話は時間がかかっても襟度と格調を持って進めていくというのが青瓦台の方針」と述べた。 国内保守勢力の批判を意識したものだという分析もある。
◇「追い込まれているのは北朝鮮」
政府のこうした姿勢の背景には、弔問政局を通した北朝鮮の対南攻勢が南北関係の全面的転換というよりも、朝米直接対話のための雰囲気をつくり、核実験以降の国際社会の制裁圧力を弱めようという戦略的要素がある、という判断がある。 政府当局者は「南北間の極限対決は朝米関係の改善に助けにならないということを北朝鮮がワシントンのメッセージを通じて得たようだ。 したがって核問題は米国と議論し、韓国とは経済交流協力を再開して経済的利得だけを得ようというのが北朝鮮の意図であると政府は見ている」と述べた。 最近の北朝鮮の動きが金大中式の太陽(包容)政策の‘功’であることを浮き彫りにし、南北関係を主導しようとしている、という見方もある。
安保理制裁後に北側が追い込まれた状況になり、今後の状況に対する主導権が南側に越えてきたという認識もある。 政府当局者は「米国が北朝鮮の朝鮮クァンソン銀行などを追加で制裁し、かなり苦しんでいる」と述べた。
この当局者は「北朝鮮が窮地に追い込まれているというのが政府の判断」とし 「われわれは国際社会とのバランスを考慮する必要がある」と語った。 南北関係を一方的に進展させられず、6カ国協議での核問題解決の進展に合せなければならない、という意味だ。
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