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1970年代の韓国の児童の英雄だったロボット太拳(テクォン)Vが国際舞台に進出するための準備を着々と進めている。 数日前には国内で初めて超合金(耐熱合金)素材で作られたフィギュアが登場、近いうちにオンラインゲームと学習漫画としても登場する計画だ。 これだけではない。 来年3月には実写映画「ロボット太拳V」が撮影に入る。 予算総額180億ウォン(約14億円)、制作費150億ウォンの大作だ。
これを陣頭指揮するのは映画制作者シン・チョル氏(51) 「猟奇的な彼女」「銀杏のベッド」などヒットさせた映画界の人物だ。 シン氏は「この国産キャラクターを利用して国内外市場を狙った融合文化事業を展開する」と述べた。 こうした事業に関心を抱くようになったのは、06年に太拳V著作権・事業権を取得して(株)ロボット太拳Vを設立してからだ。 その後、実写映画、オンラインゲーム、出版、フィギュアに太拳Vを主人公として活用する構想を推進し、一つずつ実行に移す段階に入った。
有名な映画制作会社がなぜ過去の児童キャラクターにこだわるのか。
「ワールドディズニーは07年に50兆ウォンの売上高を記録し、ブランド価値も三星(サムスン)電子の2倍にのぼる。 こうした成功はミッキーマウスという素晴らしいキャラクターがあったからだ。 太拳Vは国内外で通用するキャラクターだと確信している」
シン氏は会社の設立を控え、8-13歳の児童を対象にアンケート調査を行った。 回答者のうち81%が太拳Vを知っていた。 それだけこのキャラクターは強い競争力と魅力を持っている、というのがシン氏の説明だ。 シン氏は「新しいキャラクターを作ってこれほどの認知度を得るには少なくとも900億ウォンのマーケティング費用が必要になる」と語った。
太拳Vはまたテコンドーを象徴している。 シン氏は「テコンドーを習った人は世界189カ国で1億人を超える。テコンドーとロボットが融合したコンテンツは大きな潜在力を持つ」と話した。 実際、文化体育観光部が制作したテコンドー広報映像には太拳Vが登場している。 この映像は在外公館などを通して世界に広まっている。
シン氏は(株)ロボット太拳Vを世界的な融合コンテンツ企業に育成する考えだ。 先月、太拳Vを素材にしたオンラインゲーム・学習漫画を制作するため、インターネットポータルおよび出版社と契約を結んだ。 また2012年にオープンする仁川(インチョン)ロボットランドのランドマークとして太拳Vを活用する案を仁川市と協議中だ。 実写映画への期待も大きい。 「トランスフォーマー」と「グリーン・デスティニー」を合わせた雰囲気の映画になるという説明だ。
太拳Vで単に事業をしようというわけではない。 太拳Vは昨年7月から国連難民高等弁務官事務所(UNH)韓国代表部の親善マスコットとして活動している。 正義を守る太拳Vのイメージを通して世界5000万人の難民に希望を与えようという趣旨だ。 昨年アンゴラとリベリアで救護活動を行ったシン氏は「太拳Vを利用して現地の子どもたちにテコンドーを教え、模型を配ったが、大喜びしていた」とし「今後こういう機会が頻繁にあればいい」と語った。
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