昨年の夏、韓国と米国の同胞社会は天気のように熱くなった。 米地名委員会(BGN)が独島(ドクト、日本名・竹島)表記を「リアンクール岩礁」と変更したことが一歩遅れて明らかになったからだ。 リアンクールは独島を初めて西洋地図に表記したフランス捕鯨船の名前だ。 独島は韓国地名だが、「リアンクール号が発見した岩礁」になれば、主が明確でない島ということになる。 米議会図書館も地名委員会を理由に挙げて独島と韓国の島というキーワードをなくそうとした。
政府が慌てて動き出し、国内はもちろん、米国の同胞社会にも広がった。 鉢巻をしたデモ隊が連日、ソウルの米国・日本大使館前を埋めた。 米国の各都市でも「独島は韓国領土」というカードを掲げたデモ隊が路上に出た。 政府は独島タスクフォース(FT)を設置し、学術団体セミナーも続いた。
あれから1年、何が変わったかを振り返るとやや苦い思いがする。 さらに先日、知人から聞いた経験談には驚かされた。 その知人は偶然、日本の外交官と一緒に米国人の友人の家を訪問することになったという。 各自が贈り物を持ってきたが、日本の外交官は誠意を込めて包装した額縁を取り出した。 包装紙をすべて取り除くと、それは東アジアの古地図だった。 東海(トンへ、日本名・日本海)は「日本海」、独島は「竹島」と表記されていた。 彼は地図の出所を説明した後、額縁を飾る場所までアドバイスしたという。 米国人の友人が感動したのは言うまでもない。
後に分かったことだが、地図を贈ったのはこの外交官だけではなかった。 政権が代わり人が変わっても、日本の外交官は周囲の人たちに以前から地図を贈ってきたということだ。 外交官だけでない。 米国の小中高校に地図を送る運動を繰り広げてきた民間団体も多い。 韓国がどこにあるかも正確に把握していない田舎の教師や生徒にこの地図がどんな力を発揮したかは容易に想像がつく。 私たちが鉢巻を巻いて日章旗を燃やしている間も、日本側は黙々と地図を送っていたのだ。 30年間沈黙していた米地名委員会と議会図書館が突然に東海・独島表記を変更しようとしたのも、こうした力が作用したのではないだろうか。
東海・独島に関する韓国政府の公式立場は「静かな外交」だ。 日本が騒いでもそれには乗らないということだ。 日本と対立状況になり、国際社会で東海・独島が紛争地域として扱われ、国際司法裁判所へ向かうという不祥事を避けようという趣旨だ。 これには一理ある。
しかしその間の政府の動向を見れば不安だ。 ひょっとして「静かな外交」と「無対策外交」を取り違えていないか心配だ。 事故が発生する度にTFだのと騒ぎ立てるが、世論が静まればすぐに「静かな政府」になるからだ。 歌手人生までかけて東海・独島守護に乗り出したキム・ジャンフン氏はどういう思いだっただろうか。 ほかのものはさておき、彼の一言は心に響く。 「東海・独島は私たちと日本の問題のようだが、結局は国際社会を説得する戦いだ」。声には出さなくても絶えず考証し、それを根拠に国際社会を説得するのが本当の静かな外交ではないだろうか。 ふとキム・ジャンフン氏がナレーションを担当した映画のタイトルを思い出した。 「独島よ、ごめんね」。
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後に分かったことだが、地図を贈ったのはこの外交官だけではなかった。 政権が代わり人が変わっても、日本の外交官は周囲の人たちに以前から地図を贈ってきたということだ。 外交官だけでない。 米国の小中高校に地図を送る運動を繰り広げてきた民間団体も多い。 韓国がどこにあるかも正確に把握していない田舎の教師や生徒にこの地図がどんな力を発揮したかは容易に想像がつく。 私たちが鉢巻を巻いて日章旗を燃やしている間も、日本側は黙々と地図を送っていたのだ。 30年間沈黙していた米地名委員会と議会図書館が突然に東海・独島表記を変更しようとしたのも、こうした力が作用したのではないだろうか。
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