真夏の炎天下、日本では総選挙のムードが強まっている。自民党政権を一度変えてみようという雰囲気がかつてこれほど強かったことはない。最近の6回にわたる地方自治体の選挙で民主党が勝利し、その期待は現実味を帯びてきている。民主党の首脳部および政策決定者と話を交わすと、以前よりはるかに慎重かつ現実的だ。政策も財源と計画表を提示しながら具体的に話す。権力を握る覚悟ができている、という印象を受ける。
民主党が執権すれば、政策内容の前に政策決定方式の変化が目を引くだろう。省庁間の利益を事前調整する事務次官会議をなくし、内閣が中心となる閣僚委員会で主要政策を決め、官邸に設置される国家戦略局で予算の骨格と配分方針を定めるという。官僚に依存してきた自民党方式から政治家主導方式に変わり、前例に拘束されない政策の樹立を目指すということだ。
では外交政策にも根本的な変化が生じるだろうか。一言でいえば、「根本的な変化はない」と言えるだろう。しかし一定の方向修正は予想される。日米同盟の将来について、民主党は対等な相互信頼関係を構築し、主体的に外交戦略を立て、日本の主張をはっきりと述べる、と明らかにしている。自民党政権下で米国に正面から提起しなかった日米地位協定、基地再編、基地関連予算問題などを交渉テーブルに載せて交渉を主導するという意味だ。民主党議員は「これは決して反米ではない」と明らかにしている。現実的に日米安保条約の5条と6条は米軍に対する基地提供を前提にしたものであり、この条約に根本的な修正を加えることはないはずだ。
民主党がアジア外交の強化を通して自民党との差を強調している点は注目される。中国・韓国などとの信頼関係構築に力を注ぎ、韓日中3カ国協力体制を構築して東アジア共同体の形成を目指す、と明らかにしている。しかし領土問題や教科書問題で前向きな態度を期待するのは非現実的だ。保守層が民主党に背を向けないよう、この問題に言及するしかない内部事情があるからだ。しかし民主党の関係者らは侵略戦争と植民地支配に対する反省と謝罪を込めた村山談話の精神を継承し、謙虚な態度を堅持することで、両国間の問題を起こさないよう努力すると強調している。
北朝鮮問題に対しては、民主党も自民党に劣らず断固たる態度を堅持するはずだ。民主党は北東アジア非核地帯構想を提示している。北朝鮮の核問題の平和的解決を目指しながらも、北朝鮮の態度の変化がない限り厳正な態度を維持するものと予想される。
民主党が力点を置く外交分野は人間安保分野となる見通しだ。世界の貧困退治と人道的復興活動の支援、環境・難民・砂漠化・伝染病など人間の安全保障は、民主党の鳩山代表が主張している「友愛」という創党精神とも合致する。こうした政策は民主党が政権を握った場合に可能ということだ。本当に日本で政権交代が実現するのか、今は関心を持って見守る時だ。
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民主党が力点を置く外交分野は人間安保分野となる見通しだ。世界の貧困退治と人道的復興活動の支援、環境・難民・砂漠化・伝染病など人間の安全保障は、民主党の鳩山代表が主張している「友愛」という創党精神とも合致する。こうした政策は民主党が政権を握った場合に可能ということだ。本当に日本で政権交代が実現するのか、今は関心を持って見守る時だ。
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