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中でも最強国だった秦の貴族たちは客卿らが出身国の利益のために秦の国益を毀損しているとして客卿追放論を展開した。ここに対立した李斯が主張したのが有名な海納百川の論理だ。「泰山は小さな土くれも拒否せず大きくなったし、川と海はさざなみを選り分けず深くなった」という内容だ。
韓国スポーツの外国人指導者起用はますます広がる状況だ。サッカーはすでに国家代表指揮官として外国人を続けて起用した前歴がある。国内リーグも4人の外国人監督が指揮を取っている。野球も晩年最下位といわれたロッテが、2008年ロイスター監督体制に変わってから体質改善したという評価だ。
しかしこれらを自然に受け入れるまでポスト争いがなかったわけではない。日本サッカーにオリンピック銅メダルをもたらせたディトマール・クラマー監督は1992年、韓国のバルセロナ五輪代表チームを担い、本選進出に成功したが、国内指導者との対立の末、自ら退いた。ブイショヴェツ監督は96年アトランタ五輪時、組別予選を通過できなかったため韓国に戻らず、現地で辞退を宣言して重苦しい心のうちを見せた。
全大韓民国がフース・ヒディンクのワールドカップ4強神話に浮き立った2002年にも14歳以下青少年代表チームを東アジアトップに導いたアブラハム・ブラム監督の再契約は取り消された。ファンと選手たちは反発したが技術委員会と対立を避けることができなかった。
国民の希望、朴泰桓(パク・テファン)の不振が指導者たちの間の派閥争いのためだったという指摘に続き、朴泰桓自らも「世界的な専門家から指導を受けたい」と意を打ち明け、外国人指導者起用が有力となった。ただ実力と実績で勝負する外国人指導者たちは、国内指導者たちが決まって当てにする派閥と学閥などの人脈から自由だという利点がある。これらの起用が国内指導者たちの意欲につながったというほかの種目の前例も肯定的に受け入れられる。
朴泰桓という人材の登場が国内水泳界全体の発展につながるには今が重要な時だ。小川から竜が出たと喜んでばかりではなく、一度竜の出た水が、また小川の水にならないよう、基盤を固めていく知恵を期待してみる。
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