１９４５年に設立されたトヨタの労組は日本労働組合総評議会傘下の単産労組、全日本自動車産業労組の支会だった。いまの現代（ヒョンデ）自動車、起亜（キア）自動車、双竜（サンヨン）自動車が全国民主労働組合総連盟（民主労総）傘下の金属労組の支部であるのと同じ形態だ。全日本自動車産業労組は最も伝統的な労組連合だった。トヨタは上級団体の方針により、混乱にもかかわらず毎年恒例行事のようにストライキを打った。経営事情が良いはずがなかった。労組設立５年目の１９５０年に結局トヨタは従業員１６００人削減案を出した。労組は７５日間のストを打った。このストは日本の労働運動史で無法地帯だった時期と評されている。このストは１５００人削減、経営陣一括退陣という最悪の結果をもたらした。

トヨタ労組はそのときになり闘争から協力に方向転換を行った。５５年には自動車労組と決別し、独立労組に転換した。その後急速に会社は安定を取り戻した。翌年には「生活安定と企業発展実現に向け努力する」という宣言文を採択し、５８年に労組は生産性向上を最優先課題に定めた。労組は６２年に自動車貿易自由化の波が押し寄せるとこれを難局と規定し、事業繁栄を通じて国民経済に尽くすという内容の労使宣言を採択した。三星（サムスン）経済研究所のキム・テジョン首席研究員は、「トヨタ自動車が世界１位のグローバル企業に急成長できた主要原動力は独立労組だった。労組が会社の経営と国家経済をとりまとめている」と話している。

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