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【噴水台】整形下層民



85万5900ウォン(約6万6000円)対742万5100ウォン。 韓国全体世帯の下位20%と上位20%の月平均所得の明細だ(2009年第1四半期基準)。 経済危機の渦中にも上位圏の収入はむしろ増える一方、下位圏は収入が減り、昨年よりも格差が広がった。 韓国だけがそうではない。 1990年代以降、拡大の一途だった世界各国の貧富の差が今回の危機でさらに悪化するというのが国際労働機関(ILO)の警告だ。 経済成長の甘い汁は主に高所得層が吸い上げる半面、経済沈滞の苦い汁はほとんど低所得層がのみ込むことになっているからだ。 犯罪率が高まり、平均寿命が短くなるなど、二極化による社会的副作用も少なくない。

それだけではない。 所得の二極化の余波は予想もできないところまで及ぶ可能性がある。 いわゆる「外貌の二極化」だ。 最近は美貌が遺伝子よりも財力に左右されるからだ。 富裕層は美しく若くなるため1カ月に数百万から数千万ウォンを惜しまず投資する。 ボトックスは基本。 レーザー剥皮手術にフィラー注射も隅々に打つ。10歳下の課長の夫人より取締役の夫人が若く見えるのもそのためだ。 半面、整形費用がなく本来の姿、年齢のまま暮らさなければならない階層もある。 米国の未来学者フェイス・ポップコーンは2001年の著書『未来生活辞典』でこうした部類を「整形下層民」(cosmetic underclass)と呼んだ。 不細工なのも悔しいのに、お金がなくて直すこともできず、これほど悲しいことはない。


新技術の登場とともに全世界整形手術市場の規模は300億ドル(約37兆ウォン)を超え、毎年急成長する趨勢だ。 昨年、米国で行われた手術だけでも1170万件にのぼる。 10年前に比べて2.5倍に増えた。 韓国も決してそれに劣らない。おおよそ女性の3人に1人が一回以上の整形手術を受けているという。 入社面接に備えて‘就職整形’を、結婚を控えては‘婚需整形’をするのが大勢だ。

特に最近のような休暇シーズンには「あなたは遊びにいくの?、私は美しくなる」と言って整形外科に人が集まる。 私教育費に加えて整形手術費まで出さなければならない親は大変だ。 もう一つの‘軍備競争’だ。 しかしこれといった方法はない。 外貌至上主義が資本主義より強力なイデオロギーである時代に「整形下層民」にとどまると、就職・結婚市場でレッテルを貼られてしまう。 所得と外貌の二極化がお互い連結する悪循環の世相が残念だ。



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