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現在の技術で北のすべてのミサイル迎撃できる(2)

生き残って落下する弾道ミサイルは、サード(THAAD)ミサイル(終末高高度防衛ミサイル)で迎撃する。迎撃の高度は約200キロ、迎撃率は80%以上だ。最終段階には多弾頭タイプのパトリオットミサイル(PAC-3)が動員される。迎撃率は95%以上。PAC-3は射程1300キロ以下の弾道ミサイルのみ迎撃する。北朝鮮のミサイルのうち、スカッドB(射程340キロ)、スカッドC(550キロ)、ノドン(1300キロ)などは、米防衛システムのうちABLやイージスのミサイル防衛(MD)システム、PAC-3でいずれも迎撃できる、というのがロッキードマーティン社の説明だ。

韓国をターゲットに北朝鮮が発射する可能性があるミサイルはすべて含まれる。「北朝鮮のミサイルをいつでも迎撃できる」という米政府の公言が空言ではないように聞こえた。ただ午前9時から5時間にわたり続いたブリーフィングで、韓国人記者団は「迎撃能力を信じられる根拠」を質問したが、会社側は提示しなかった。

◇短距離ミサイルはPAC-3で


カバロー副社長は韓国に配備するパトリオットミサイル2の問題点を指摘した。「北朝鮮が発射したスカッドBが340キロを飛行するのに約4分がかかるが、迎撃時間が短すぎてPAC-2が主軸となる韓国のMDシステムでは難しい」と述べた。しかし韓国が早期警報レーダーとPAC-3を配備し、これを統合・指揮する指揮統制システム(C2:Command and Control)を構築すれば迎撃の時間を2-3分に減らせる、という見方を表した。

現在のように米軍から情報を受けず、韓国が弾道ミサイルを先にとらえて直ちに迎撃できるからだ。国防部はこれを反映し400-1000キロを探知できる弾道ミサイルの早期警報レーダーを2010年に導入する計画だ。PAC-3も導入を繰り上げる。2012年までに烏山(オサン)に戦区(Theater)弾道誘導弾作戦統制所(AMD-Cell)も設置する。

現在韓国が保有中のPAC-2は散弾型で、ミサイルに命中しても核弾頭は破壊できない。連続で飛んできて爆発する可能性がある。しかしPAC-3は弾頭に直接ぶつかって核弾頭が散るため被害がない。ロッキードマーティン社によると、世宗(セジョン)大王級の艦艇にスタンダード・ミサイル3(SM-3)を搭載し、東・西・南海にそれぞれ配備すれば、韓国全体を保護できるという。

問題は資金だ。1発当たりPAC-3は30億ウォン(約2億3000万円)、SM-3は100億-120億ウォン。北朝鮮は射程1300キロ以下のミサイルを800発も保有している。すべてを防ぐためには天文学的な資金が必要となる。しかも日米両国が共同で開発したSM-3は現在、韓国に販売できない。また米MDシステムにからんだ政治的問題もある。技術的には可能でも「金と政治」のため韓国で完全な防衛システムが実現される可能性はまだ夢にすぎない。



現在の技術で北のすべてのミサイル迎撃できる(1)


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