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【コラム】韓国が金輸出国とは

 韓国は輸出依存度が高いだけに、いろんなものを多く輸出できればよいが、例外もある。 金がそうだ。 持っていればお金も同然だ。 どんな物や貨幣とも換えられるという点ではドルよりもよい。 ドルとは価格がずれて動くため、お互い補完作用もする。 年初のように外国為替市場が揺れれば心強い外貨準備高になる。 さらに韓国のようにこれといった金鉱一つない国では、常に金が足りないため、少し売ったところでまたすぐに買い戻さなければならない。 その間に国際相場が上がれば損失が出る。

しかし今年、韓国は金輸出国になった。 今年上半期に輸出した金は52.3トン、約15億ドル分だ。 輸入量(15.8トン)の3倍を超える。 昨年の輸出量(46トン)も超えた。 今年輸出が最も大きく増えた品目でもある。

この程度の量なら輸出国10位以内に入る。 金鉱から出る金が年間200キロ程度にすぎない国で、どうしてこのようなことが可能だったのか。 関連公務員が出した模範答案はこうだった。 「国際相場より国内の金価格が安かったうえ、国内の金需要が減り、余っている金を輸出したからだ」。果たして理由はそれだけだろうか。 それ以外の事情はなかったのか。


もちろんある。 この地で金は特別な扱いを受ける存在だ。 「お金でもなく、物でもない」といわれる。 貨幣のように使われるが、輸入する時は関税(3%)を課され、売買する時は付加価値税(10%)を支払わなければならない。 さらに金を買い取る指定事業者は付加価値税を特定銀行の指定口座に置いておく必要がある。 金の取引は非常に脱税が多いという理由で、税務当局が特別な規定を設けたからだ。

税金がつけば少なくとも税金分は価格が上がる。 逆に言えば税金さえなければそれだけ利益が残るということだ。 突然に金輸出国になった裏にもこういうメカニズムが作用している。 ある商品の国際相場が急上昇したり、韓国ウォンの価値が急落すれば、国内相場との差が瞬間的に大きくなる。 今年上半期の国内の金価格がそうだった。 それでも税金を支払って輸出したとすれば1グラム当たり1000ウォンの利益を残すのは難しい。 この時に登場したのが‘爆弾業者’だ。 ‘闇金’を集めて輸出した後に廃業する手法で税金を逃れた。 1グラム当たり約8000ウォンの利益が出たという。 ‘闇金’は正式に税金を支払った金とは違い、闇取引される金をいう。 今年4-5月に国際金相場が急騰し、国内の金価格も1匁当たり20万ウォンを超えると、金を売ろうという人が増え、こうした‘後金’取引が急増した。 一歩遅れて国税庁が動いたが効果はなかった。

国内の金価格が下がって需要が減ると、いつでもこうしたことが繰り返される可能性がある。 うわべだけの金輸出国から抜け出すには金に対する考え方から変えなければならない。 金を貨幣として扱うことだ。 金を取引するのに付加価値税を支払う理由がない。 脱税の実益がないため密輸も減り、取引が陽性化され、税金も多く集まる。 貿易摩擦の解消にも役立つ。 ちょうど韓国に対して赤字を出している2国のうち米国は世界最大の金保有国(8133トン)であり、中国は最大生産国かつ5位の金保有国だ。 両国から金を買えばそれだけ輸入額が増え、‘錯視効果’を期待できる。

この際、外貨準備高のうち金を増やすことも考慮するに値する。 金はドルより交換しやすい。 最近のようにドルの地位が揺れている時は外貨準備高として金の価値はさらに高まる。 安い時期に買って高い時期に売れば国内の金需給を調節する効果もある。 韓国銀行の金保有量は14.3トン、約4億ドル分で、外貨準備高の0.2%程度だ。 米国はこの比率が70%、ドイツは60%を超える。 他の中央銀行も10%前後を占める。 韓国銀行は「債券と違って利子がつかない」という言い訳をやめるべき時期になった。 金の価格上昇は十分に債券利子をカバーできる。 金はお金だ。 



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