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1塁手狙う小笠原
今年で創立75年を迎えた巨人は「野球で米国に勝つ」と作ったチームだ。勝利に向けた熱望は強すぎるほどに強い。冬ごとに莫大な資金を注いで選手たちを買い集める。ポジション別に主戦級選手2~3人を保有している。一度落ちれば再起の機会はめったに与えられない。
李承燁は2006年英雄の待遇を受けた。それなのに巨人はその年の冬、日本ハムの一塁手小笠原道大(36)を獲得した。小笠原はこの3年間、三塁手として活躍した。しかし李承燁が2軍に落ちたり代表チームに合流したりすれば決まって一塁手のミットをはめた。今も小笠原は体力の負担が少ない一塁手として安着したいと考えている。
巨人は今年入団した19歳の大物ルーキー太田泰示が一日も早く主戦三塁手に定着することを願っている。そうなれば小笠原の一塁転向も自然に成り立つ。それまで李承燁の不振が続く場合に備え、外野手亀井(27)も時々一塁手として起用してきた。李承燁がいなくてもいいチームを作ってきたのだ。
李承燁もこれを知っている。3月、WBC代表チーム合流をしなかったときの理由もチームを離れる瞬間からポジションを脅やかされるからだった。巨人は今も世界各地から一塁手と三塁手を求めている。
マスコミによく登場する「李承燁に対する原監督の無限の信頼」という表現は構造的に不可能な言葉だ。有限な機会が与えられるだけだ。李承燁だけではなく巨人のユニホームを着ている人すべてに当たる話だ。そしてそれは選手時代から巨人を象徴してきた原監督も例外ではないのだ。
李承燁は「巨人との契約は来年までだ。そのときまでベストを尽くすつもりだ。進路はそのあとで悩む問題だ」とし、原則的な立場を明らかにしている。彼の言葉通り、契約期間内の李承燁と巨人が名分なしに別れる可能性は高くない。
ポータルサイトの文には契約期間内、つまり来冬、李承燁のトレードの可能性が提示されていた。打撃感をつかめないが、李承燁のパワーは相変らず日本最高だ。彼をほしがる日本球団は確実にあるという見方だ。
一部では李承燁の米国進出や国内復帰も予想する。メジャーリーグは李承燁の長年の夢だ。最後のチャレンジの舞台に十分に魅力的だ。契約金を下げれば実現不可能なことではない。また国内の関係者は「李承燁はやるだけやった。国内に帰ってきても恥ずかしいことではない」という。
李承?、巨人を離れるのか(4)
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