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【噴水台】 冷麺



この1週間で「冷麺」の歌が人気急上昇となる。「とても冷たくて体が震え/強くても強すぎて/それでも君を愛してる」という単純な歌詞のシンプルな歌だが、11日、MBCテレビ「無限に挑戦」で紹介されてから恐ろしい勢いで各種音源チャートで1位を占めた。

梅雨時の蒸し暑さが歌の人気にも影響を及ぼしたのではないかと思う。一体いつからこうして夏が来ると、有名な冷麺専門店の前で行列を作るようになったのだろう。作家の成碩済(ソン・ソクチェ)によれば、金裕貞(キム・ユジョン)や李孝石(イ・ヒョソク)の1930年代の著作にも冷麺グルメの話がよく登場するという。特に李孝石は1939年に書いた「柳京食譜」で「平壌冷麺は有名なものとされているようだが、ソウル冷麺より白くない」と書いている。キム・チャンビョルの「韓国食べ物、そのおいしい誕生」によると、夏、冷麺店の団体食中毒記事が1929年からほとんど毎年絶えずに登場するというから、冷麺が外食産業の先頭走者となってから久しいと言えそうだ。


もうちょっと考えてみれば冷麺という食べ物が一体偶然、韓国でこうした人気を享受するようになっただろうかという疑問が浮かぶ。暑さでいえばずっと暑い国の天地で、麺好きだといって決して韓国に立ち後れない国が1つや2つではない。スパゲッティの国イタリアにも冷やして食べる麺があるが、サラダにパスタをのせる程度だ。

隣りの中国と日本の代表的な食べ物の中にも冷たい麺はそう目立たない。中国には涼麺だとか冷拌麺などという食べ物があるが、そのまま初心者的な混ぜそうめんの水準にすぎない。むしろ北朝鮮と延辺の影響で東北式冷麺だとか朝鮮冷麺などという食べ物が浸透している。

日本にも冷やし中華という冷たく冷やしたラーメンがあるが、名前からして自国の食べ物としての待遇を受けていないことがわかる。韓国の冷麺ほど普遍化された品目を見つけようとすると、汁につけて食べるそば程度だ。しかしこれまた韓国のようにぐいぐいと汁を飲み干して暑さを追い払う食べ物とは程遠い。それに平壌冷麺好きたちは、夏ではない真冬がその季節だと指摘する。冷たいトンチミ(唐辛子を入れない大根のキムチ)の汁を飲みほし、通りに出て寒風に当たりながら「ああ、うまい」とつぶやくまさにその味。一体、韓国人たちは偶然、こんなおかしな習性を持つようになったのか。韓国人の冷麺の遺伝子ってどうなっているのだろう。



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