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【ワールドプリズム】3無政党の自民党 ‘タイタニック’身分に

 日本では最近、自民党が「タイタニック号」に例えられている。外では国民に背を向けられ、野党の民主党の攻勢を受けている一方、中では深刻な内紛が発生し、沈没寸前であるからだ。来月30日に予定された総選挙で敗北する可能性が高まると、重鎮議員が党職を捨てて‘自民党号’から抜け出し、議員は遊説の代わりに内紛に明け暮れている。

自民党は1955年に誕生して以来ほぼずっと執権してきた。その自民党ががけっぷちに追い込まれた最も大きな理由は、成功時代の追憶にしばられて時代の変化をついていけなかったことにある。自民党は、政府が金融を緩めて国民がついてくる「官主導経済モデル」で日本の高度成長をけん引した。しかし現実に安住し、内部改革と壁を作った自民党モデルは、90年代のバブル経済崩壊後にグローバル化した時代には作動しなかった。

01年に小泉純一郎が登場し、「自民党をぶっつぶす」として聖域なき改革に乗り出したが、自民党の体質を根本的に変えられなかった。むしろ過度に急進的な改革で地域間・階層間の所得格差など副作用を招き、自民党の牙城だった地方を自民党の反対勢力に回した。小泉の後に続いた安倍晋三・福田康夫が民心収拾に乗り出したが、わずか1年で退くことになった。政策不在のため実質的な解決策を出せず、限界にぶつかり、ともに逃げるように辞任した。


政策不在は人物不在によるところが大きい。自民党には世襲議員が所属議員の33%に達する。小泉・安倍・福田元首相と麻生太郎首相も世襲議員だ。結局、民主党に比べて自民党は‘外部輸血’が少なく、有能で現実感ある政治家が減った。その結果、自民党の伝統的な派閥政治がますます激しくなり、翼のない墜落を助長した。最大派閥である町村派出身の安倍・福田元首相が相次いで辞任し、自民党8派閥は苦肉の策として少数派閥出身の麻生を首相に選び、支持率のばん回に乗り出した。しかし根本的な体質変化のない交代は背を向けた民心を引き寄せることはできなかった。麻生は今月初め、こうした状況を打開するため党要人の刷新を試みたが、派閥の反発で失敗した。また日本国民は「世襲議員は庶民の実情を分かっていない」と考えている。

自民党は党内で次期首相候補を見つけられず、窮余の策として有能な地方自治体の首長を迎え入れようとしたが、断られて恥をかいた。国民的スターに浮上した元コメディアンの東国原英夫宮崎県知事にもラブコールを送った。彼は、地方分権を自民党の選挙公約に含め、自分を首相候補にすることを条件に出した。自民党が拒否して実現しなかったが、多くの国民からは嘲笑を買うことになった。自民党の‘沈没’を早めた1編のコメディー劇だった。変化を無視したまま長いあいだ‘内輪の祭り’を楽しんできた‘自民党号’は、結局、政策・人物不在で沈没しかけているのだ。



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