10日に閉幕した主要8カ国(G8)拡大首脳会議は世界貧困国の食糧難解決のため今後3年間に200億ドルを支援するという宣言文を採択した。経済危機から急激に悪化した地球村食糧安保問題に先進国が積極的に取り組んでいるのは幸いだ。国連食糧農業機関(FAO)によると、穀物価格の上昇で飢餓に苦しむ人口が今年初めて10億人を超えるなど事態は深刻だ。
今回合意した食糧安保基金は貧困国の自給自足能力を高めることに焦点を置いたという点で注目される。これまでは豆・トウモロコシなど食糧を緊急支援するのが中心で、これでは食糧難を根本的に解決できないという自省の声が強まっていた。したがって新しく作られる基金は肥料・種子・農機械を支援したり、農村の道路網や潅漑網などインフラを強化するのに使用することを決めたという。魚を支援する代わりに漁獲方法を教え、網や釣り竿を握らせるということだ。
変化した支援方法が成功するためには該当国家の自立意志と努力が必要だ。これと関連し基金設立を提案したオバマ米大統領は韓国を模範事例として提示し、貧困国の変革を促した。国際社会の食糧支援を受けた国が短い期間に経済大国に成長した点を高く評価したのだ。李明博(イ・ミョンバク)大統領も過去食糧安保問題を解決した経験をもとに、貧困国の農業生産増進のための支援を惜しまないことを明らかにした。
光復(解放)後、食糧不足に苦しんでいた韓国は1960年代末、政府の主導で多収穫新品種米の開発と普及を始めた後、わずか数年で自給自足を達成し、世界を驚かせた。農民が自ら科学的営農に率先して政府施策に応じたのが大きな基礎になった。こうした韓国のノウハウを支援し、地球村の食糧難の解消に力になれば、非常に大きな意味を持つことになるだろう。G8会議での決心が早期に行動で実践されることを期待する。
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