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韓国の情報機関、国家情報院(国情院)が8日、韓米26サイトに対するDDoS(分散サービス妨害)攻撃を「北朝鮮または北朝鮮追従勢力によるもの」と推定したのは、いくつかの根拠に基づくものとみられる。
ひとまず、米情報当局との連携を通じ、DDoSが浸透した経路を追跡、その背後に北朝鮮があると判断できる情況を確認できたため、というのが情報当局者の説明だ。国情院の報告を聴取した国会情報委員会の委員も「攻撃に使われたゾンビパソコン(ウイルスに感染したり、不正侵入者に遠隔操作ソフトを仕掛けられたりしたまま、ユーザがそのことに気付かずに放置されているパソコン)とその背後を国情院が捜し出した後、北朝鮮が行ったと推定したようだ」と話した。
北朝鮮がネット活動の本拠地にしてきた中国などで、最近サイバーテロに関連した動きが確認されたのもひとつの根拠とされる。情報当局者は「中国に移住した北朝鮮住民“朝僑”が主に活動している東北2省や北京などで組織的に動いた兆候があると聞いている」と伝えた。国情院は、在日本朝鮮人総連合会と米国・欧州地域の北朝鮮関連団体も今回の攻撃にかかわっている可能性があると見て、注目しているようだ。
国情院が8日、国会報告で「従北勢力」という表現を使ったのも、中国と日本などで北朝鮮に同調する勢力を指したものという分析だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)、国防部など韓国の12サイトとホワイトハウス・国務省など米国の14サイトが集中的に攻撃されたのも、北朝鮮の仕業であることを裏付ける傍証と見なすべきだという見方もある。
先月に北朝鮮がサイバーテロを公言したのも、ひとつの根拠といえる。北朝鮮の対南(韓国)機関の祖国平和統一委員会は先月27日、韓国が、米国の主導するサイバー戦「サイバーストーム」訓練への参加を進めると「北朝鮮を侵攻する野望を示すもう一つの容認できない挑発行為」と非難した。続いて「北朝鮮はいかなる方式の高度技術戦争にも準備できている」とし、ネット上の挑発の可能性を脅威したということだ。
しかし国情院は具体的にどのような根拠から「北朝鮮とその追従勢力の仕業」だと推定したかについては、公表していない。警察と国軍機務司令部も北朝鮮の介入には触れず、国情院と微妙な隔たりを見せた。国情院当局者は「情報委員会に報告した内容を、情報機関がマスコミにいちいち報告することは難しい」と述べた。
ある情報委員は「どのようにして確認したかという部分は、情報機関が公表できないだろう」とした後「しかし単なる推測ではなく相当な根拠があるはず」と雰囲気を伝えた。別の情報委員は「すでに北朝鮮がサイバー上で挑発を行うだろうという諸徴候が捕捉されていたらしい」とし、国情院が事前に攻撃の徴候を認知していた点を強調した。
国情院当局者は「公信力のある情報当局が国会の常任委員に報告する内容は、何の根拠もなく作られることはない」とした。国情院は先月、金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長の後継問題に対し、異例に「金正雲(キム・ジョンウン)氏に内定」と国会情報委員に通報した。当時も根拠をめぐり議論が広がったが、追加の情報と外信の報道などを通じ国情院の判断が事実として確認されつつある状況だ。
北「いかなる高度技術戦争も準備済み」…サイバー挑発を予告(2)
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