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【コラム】北に強硬対応するオバマ大統領の思惑

 北朝鮮が4月5日に‘長距離ロケット’を発射した直後、ワシントンで開催された非公開セミナーにオバマ政権の官僚が出席し、演説を行った。

彼は「ボスワース対北朝鮮政策特別代表が中国を訪問中、北側に対して『ミサイルを発射しなければ平壌(ピョンヤン)を訪れる用意があり、直接対話にも応じる』というメッセージを伝えたにもかかわらず、北朝鮮がミサイルを発射した」と述べた。 「(米国が)手を差し出して握手を求めたが、(北朝鮮から)平手打ちを食らった格好だ」と表現した。

演説の後、ある出席者が「北朝鮮に拘束されている女性記者2人の解放のために北朝鮮と交渉をする用意はあるのか」と質問すると、彼は「女性記者問題を論ずるほどリラックスしていない」と答えた。 そして1カ月半後の5月25日、北朝鮮は2度目の核実験を断行した。 国連安全保障理事会では、韓国戦争(1950-53)後に国連が採択した制裁決議のうち最も強力な内容と評価される「決議1874」が採択された。


続いて米国はこの決議を違反する物品を載せていると疑われる北朝鮮船舶「カンナム号」を執拗に追跡したほか、食糧分配の透明性が保証されていないという理由で対北朝鮮追加食糧支援を中断した。 さらにマレーシアをはじめとする数カ国で北朝鮮のものと推定される銀行口座の凍結および封鎖措置に入ったという。

オバマ政権がこのように断固対応できるのは、06年10月の1回目の核実験直後にあった11月の中間選挙で執権党が敗北したブッシュ政権のような苦い経験をしていないからだ。

当時ブッシュ政権はこの敗北を「イラク・北朝鮮政策に対する有権者の峻厳な審判」と受け止めた。 このため希望の火がまだ残っていると考えられた北核問題で外交的業績を残そうと核施設「無能力化」というあいまいな概念に基づいた北核問題の密封的解決に乗り出した。

しかし任期が3年以上残っているオバマ政権は、こうした接近法が北朝鮮に「制裁は言葉にすぎず、米国は結局交渉に出てくる」という誤ったメッセージを送ったと考えている。

実際、オバマ大統領は候補時代から北核問題を解決するための‘直接外交’の必要性を主張した。 いわゆる「ならず者国家」の指導者に会うことをタブーとするよりも、直接会って複雑な懸案を解決するという判断だった。 しかし現在、オバマ政権は、北朝鮮が挑発行為を続けている状況で北朝鮮を対話の場に引き出すためには、より徹底的に圧力を加えなければならない、と考えているのだ。

北朝鮮は体制の特性の上「国家安保」よりも「政権安保」が上位にある。 したがって、金正日自身の政権安保が危険になるという考えを抱くよう徹底的に圧力を加えてこそ、交渉の場に出てくる、ということだ。

そのためには、金融制裁や武器輸出封鎖のような北朝鮮政権の血管を絞める米国独自の措置を具体化しながら、国連安保理決議1874の徹底した履行に向けた中国の協調を引き出す必要がある。

このような戦略的考慮のもと、米国は韓国と日本に対して「核の傘」の提供を再確認することで、韓国と日本の核武装に対する中国の憂慮を軽減させた。

米国は今度は中国がこたえる番だと考えている。 おそらくその時点は7月末に予定された「米中戦略経済対話」になるだろう。 オバマ政権の対北朝鮮強硬対応が続くかどうかは、この米中対話に中国がいかなる‘贈り物’を持って出てくるかにかかっていると言えそうだ。



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