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【社説】互いに自制要求されるウイグル流血事態

中国の新疆ウイグル自治区で大規模な流血事態が発生した。現地の漢族に対するウイグル人らの集団暴行、デモ隊に向かう中国公安の流血鎮圧などで156人が死亡し、1000人以上が負傷した。1989年の天安門事件以来最大の惨劇だ。今回の事件を呼んだ表面的な理由は先月25日に発生した広東省でのウイグル族と漢族の衝突だ。この過程でウイグル族の労働者2人が死亡したことで民族感情が爆発し、ウイグル族自治区の区都ウルムチ(烏魯木斉)に深刻な暴力事態として広がった。中国政府の強硬な対応にもかかわらずウルムチ周辺のウイグル族居住地に事態が拡散しており、今後状況はさらに悪化する見通しだ。

今回の惨劇の根本的な原因は中国の人口の92%を占める漢族に対するウイグル族の根深い不信と対立だ。ウイグル族は1884年に清の侵入を受けるまで独立的な政治体制を維持してきた。清に併合された後もウイグル人は独立運動を展開し、1949年に社会主義中国が建国されるまで2度の独立を果たしている。こうした歴史的背景に加え、最近になり漢族がウイグル自治区に大挙移住して生まれた不安感とともに地域経済での主導権喪失に伴う疎外感などが積み重なっていた。

ウイグル族は中国55の少数民族のうち最も積極的に独立国家建設を目標にしている民族だ。ウイグル自治区内の暴力事態と中国の強硬な鎮圧が繰り返されれば極度の混乱は避けられない。周辺のイスラム国の一部勢力もウイグルの独立を支援しており、場合によっては国際政治の新たな変数になる可能性もある。


中国当局は単純な暴力事件が大型流血惨劇に発展したその根本的背景により注目しなくてはならない。この地域を実際に統治している中国が開放的で包容力のある姿勢を見せなくては平和的な問題解決はできない。デモ勢力との積極的な意思疎通に乗り出す一方、ウイグル族を不安感と疎外感に追いやっていたこれまでの少数民族政策を再検討する姿勢も見せるべきだ。中国当局とデモ勢力の自制を促したい。



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