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社会の葛藤を招く暴言

 韓国社会が暴言で汚染されている。インターネットの書き込みで見られた攻撃的な言葉がいつの間にか日常的になり、地上波放送にまで広がる雰囲気だ。暴言を自分のキャラクターとして売りにしている芸能人が人気を集め、社会指導層の教授・政治家も公式席上でためらいなく暴言を吐いている。卑劣な言葉が流行する原因とこれを正すための方法を考えてみる。

言葉には話す人の目的と考えが反映されている。相手の粗探しをして罵倒する言葉が広がるというのは、社会全体の葛藤や分裂が深刻化しているという傍証だ。実際、韓国の社会葛藤は経済協力開発機構(OECD)の27カ国のうち4番目に深刻だ。三星(サムスン)経済研究所の調査によると、社会葛藤による韓国の経済的損失は毎年、国内総生産の27%にのぼるという。進歩と保守の理念葛藤、労使間の階層葛藤が代表的だ。経済危機で葛藤の緩衝地帯格である中産層が崩れ、対立はますます激しくなっている。

こうした葛藤が健全な批判につながれば、むしろ社会発展の基礎になる。健全な批判という真正性ある忠告でお互いが現実を直視し、突破口を見いだせるよう導くからだ。口には苦くても体には良薬となる。これに対し暴言は相手に言語暴力を行使し、無意味な傷を与えるだけだ。


政治家や芸能人が暴言に執着する理由は大衆の関心を引くためだ。会社員のイ・ジョンアさん(29)は「テレビでストレートな表現を使って相手をやり込める場面を見ると気持ちがすっきりする時がある」と話した。儒教文化圏の影響で直接的な表現を避けてきた私たちの社会で、有名人の直接的な言葉が代理満足を与えているということだ。

しかし相手に対する最小限の礼儀と配慮もない言葉で引く関心は長くは続かない。むしろ大衆の不快感を招き、公人としての寿命を短縮する結果を招くケースも多い。

言語学者らは「人は言語で思考を表現し、言語に反映された通りに思考する存在」と説明する。言語が考えの産物であると同時に、考えを形成する役割を果たすという意味だ。言葉を純化しなければならない理由もここにある。言葉が汚くなれば思考自体も荒れやすい。結局、社会には品格のない攻撃的な雰囲気が蔓延し、その被害はそのまま一人一人に返ってくる。

言語習慣は一日で形成されるものではない。家庭・学校・社会で言語教育に心血を注ぐ必要がある。最も良い教育は上の世代が模範を示すことだ。社会の指導層が率先し、民主市民の基本資質である討論と健全な批判能力をかん養していけば、青少年の言語習慣に対する心配は自ずと消えていくのではないだろうか。



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