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【噴水台】サマータイム



全斗煥(チョン・ドゥファン)政権時代、サマータイムと呼ばれる日光節約時間制(daylight saving time)が短い間だが実施されたのは、ソウル五輪が最大の理由だった。放送主幹社である米国NBCから一銭でも中継権料を取るため、人気種目の試合時間を米国の夜の時間帯に合わせなければならず、そのためには1時間でも多く時差を調整する必要があったのだ。案の定、五輪を行った翌年の1989年、サマータイムはこっそりと廃止されていた。

当時のサマータイムは全く思いがけない舞台で誰も予想できなかった「歴史的」役割をした。ほかでもない87年6月の抗争をめぐってのことだ。当時実施されたばかりのサマータイム制により、午後8時になっても日は相変らず明るかった。敢えてこのごろはやりのろうそくデモなどする必要もなかった。デモの人だかりは時間が経つほど増えていった。帰途の会社員たちが合流したからだった。いわゆる「ネクタイ部隊」の加勢は6・29宣言を導き出す決定的きっかけとなった。


1907年、イギリスの建築家ウィリアム・ウォーレットが「日光の無駄使い」という文で主唱したサマータイムは、言葉通り日の光を節約して使おうという制度だ。たとえば今朝のソウルの日の出の時刻は午前5時14分、大多数の市民がまだ布団の中にいる時間だ。もし時計の針を1時間ずつ遅らせたらそれだけ起床時刻を繰り上げることになるわけで、1時間早く眠ればそれだけエネルギーを節約することができるというのがウォーレットの計算だ。最近の言葉で言えば政府が怠けた国民を1時間ずつ早く起こして“朝型人間”にしてくれる制度だ。世界86カ国で試行中だが、経済協力開発機構(OECD) 会員国のうち、サマータイムのない国は韓国と日本、アイスランドだけだという。

韓国と日本の首脳が会う席で共同サマータイムが話題に上った。麻生太郎日本首相は「日本と韓国は時差がないから一緒に行えば効果が大きいと思う」と述べた。両国の勤労環境を考慮すれば結局、労働時間延長につながるだけだという反論もあるが、両国政府の次元で共同サマータイム制度を前向きに検討してみる時だと思う。ひとかけらの太陽エネルギーでもぞんざいにできないほど資源節約が重要である時代に生きているからだ。どちらか一方が先に施行して一衣帯水にすぎない玄海灘を渡り、時計の針を回さなければならないことになっては面倒だろう。



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