豪州のコンピューター科学者が、社内の電子メール使用内訳で会社の危機を感知できるという異色の研究結果をまとめたとニューズウィークの電子版が30日に紹介した。代表ケースは2001年に15億ドル規模の粉飾決算で破綻した米エネルギー会社のエンロン。エンロンが破産する直前18カ月間に1万5000人の従業員が社内のイントラネットを通じてやり取りした51万件の電子メールのパターンを分析した。
特異な点は、会社が破綻する1カ月前から社内の電子メール送受信件数が普段の8倍に増加したことだ。従業員は非公式なグループを形成し、ここに属するメンバー同士でグループメールを送る方法で電子メールをやりとりし、他のグループのメンバーとは交流をしていなかった。メッセンジャーでの対話も同じグループ内でだけ行われた。会社の危機を感知した従業員が信頼できる同僚らと情報を交換しあらかじめ対策を練っていたものとみられる。
研究では従業員が送った電子メールの数とパターンだけ分析し内容は見ていない。個人のプライバシーを保護しながら会社の経営状態をチェックできるという対案になりえるというのが科学者らの主張だ。
ニューズウィークは「少しだけ補完すれば各会社の人事チームで有用に活用できる」と伝えている。
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