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キャラクターの力だ。ストーリーはシンプルだが、観客たちは沸き返る。22世紀から来た青いロボット猫「ドラえもん」の認知度のおかげだ。ドラえもんは1969年に日本で誕生したキャラクターで、韓国内でもマンガ本とテレビアニメーションを通じて人気を集めている。
紙と画面を通じて見ているキャラクターが自分の目の前に実在するという感激のためだろう。勉強も運動もまあまあの平凡な小学生、のび太(韓国版は「チング」)、のび太がいちばん好きな女の子、しずかちゃん(イスル)、がき大将のジャイアン(トゥントゥンイ)に、常にいばりくさって自分の自慢に忙しいスネ夫(ピシリ)ら、マンガのキャラクターたちがドラえもんとともに登場すると、子供たちは歓呼の声を上げる。同伴した親たちの表情は気後れした感じだ。むしろ舞台より自分の子供の反応にうれしそうな様子だった。
公演の副題は「赤ちゃん恐竜救出作戦」だ。ある日、のび太が見つけた恐竜の卵の化石。ドラえもんがタイムふろしきで時間を戻すと、恐竜の赤ちゃんピー助が生まれた。ピー助がママに会いたがると、ドラえもんとその友達はピー助のために1億年前の恐竜時代に発つ。
公演が行われているソウル良才洞(ヤンジェドン)ソウル教育文化会館大劇場は、客席が 1000席に達する。子供ミュージカルとしてはかなり大きなステージだ。その分、舞台装置も大掛かりだった。雄大な恐竜時代のジャングルは特に印象的だ。
またドラえもんの「4次元秘密道具」である「どこでもドア」「電車ごっこロープ」「タイムマシン」「追跡アロー」などは、特殊映像グラフィックを活用し、内容豊かに見せてくれた。
公演は「1等級」ミュージカルを標榜している。悪口や暴力を排除した「無公害」作品という意味だ。それで悪党である恐竜ハンターも臆病でおっちょこちょいな面白いキャラクターとして描いた。決して憎むことができず、結局、子供たちと友達になる純粋な人物だ。
劇中の登場人物たちと客席に座った子供たちの間の対話も多い。「ピー助はどこにいるのか」と恐竜ハンターが質問をしたときだ。純粋にきちんと答える子供とでたらめな返事でハンターを欺こうとする子供たちが互いに声で競う。そんな童心が生きていてこそ楽しめる公演だ。幼稚園生から小1、2年生の児童たちにぴったりだろう。
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