記者がパク・スンイルさん(38)を初めて取材したのは2005年秋だった。彼はすでにルーゲーリック病と争って4年目だった。目を動かし「眼球マウス」で文字を入力しながら4カ月にわたって手紙を作成し、中央日報に送ってきた。病気の苦痛と、それでも生きるという意志、ルーゲーリック病患者のための専門療養所を建てたいという夢が書かれていた。この内容は<ルーゲーリック、目で書く>という記事で報道された。ルーゲーリック病専門療養所はパク・スンイルさんの長年の夢だった。彼はルーゲーリック病患者を「水の妖怪」と表現した。24時間、家族の助けを要する自分の境遇を「家族を巻き込んで一緒に死まで呼びこむ妖怪」と言った。少しも目を離せない弱い体だが、精神と感覚ははっきりと生きていて患者本人を苦しめる。じれったくて歯がゆい自分を「シャープペンの芯」のようだと表現した。彼は療養所があれば患者と家族たちが互いに頼って看病を手伝ってもらえると信じた。家族がしばらく息抜きもできるだろうと言った。
ルーゲーリック病と戦って7年、パク・スンイルさん(3)
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