政府が私立大に対してリストラの刀を抜いた。教育科学技術部(教科部)は、学生の募集が難しく経営難に直面し、学事運営が十分でない私立大の経営実態調査を来月から始める。独自生存が難しい大学に対して12月までに「経営不振大学」判定を下し、他の大学との合併や解散を誘導する予定だ。大学教育全般の不良化を防ぎ、競争力を高めるためには避けられない措置だと考えられる。
国内大学は志願者よりも募集定員が多い‘定員逆転’状態だ。高校卒業生の84%が大学に進学するにもかかわらず、定員を満たせない大学が多い。昨年は私立大全体の42%が定員を満たせなかった。一般大学17校と短大10校が定員の7割を満たせず、定員の半分も満たせなかった大学も5校にのぼる。新入生を満たすのに汲々とする大学が教育投資をきちんとできるはずはない。教育環境は劣悪になり、その被害は学生が受けることになる。
解決法は不振大学のリストラだ。学生数不足と経営困難で設立目的を達成できない大学は閉鎖されるのが正しい。もちろん自発的な撤退を誘導するのが雑音や葛藤を最小化する方法だ。こうした点で、教科部が大学間の買収・合併促進のための行政的・財政的支援や、公益・社会福祉法人に対する解散大学残余財産の出捐許容など自発的撤退経路に頭を悩ませているのは評価できる。問題はその程度で不振大学の撤退が進むかどうかだ。
多くの大学がすでに、何とか「不振大学」判定を免れて生き残ろうという動きを見せている。「2年連続新入生補充率50%未満」など限界大学に対する基準を定め、強制撤退させる案を法制化する必要がある。国庫に帰属させる解散大学の残余財産の一部を設立者に返す特例を一時的に施行し、自発的な撤退を活性化する案も検討するに値する。過去の政府も大学のリストラに着手したが、大学の反発に押されてうやむやになった。今回も過去の前轍を踏むことになれば大学の競争力向上は期待できない。
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