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ロシア南部のロストフ州。車に乗り3~4時間走っても地平線しか見えない広大な平原。ここの農村地域にパク・ドミトリーさん(53)とキム・イェカチェリーナさん(51)の夫婦が、22歳の娘と2歳の孫とともに暮らしている。夫婦にはロシア国籍がない。無国籍の身分は娘を経て2歳の孫にまで続いている。
娘は高校を卒業しているが卒業証書はない。国籍がないので国が卒業を証明することができず、大学にも進学できなかった。正社員の職を得ることはほとんど不可能だ。歳を取っても年金はもらえない。妻は「娘」「母」という単語が出るたびに泣いた。
19世紀末の日本の強占期まで多くの韓民族がロシア沿海州に移住した。経済的問題と「独立運動」という政治的理由のためだった。1937年冬、ソ連のスターリン政権は沿海州に住んでいた高麗人17万人をすべて中央アジアに強制移住させた。
1991年冬。高麗人はまたも厳しい季節を経験する。ソ連が崩壊し、高麗人は自分の意志とは関係なくそれぞれ別の国住むことになった。この過程で多くの人は国籍を取得できなかった。ウズベキスタンが故郷のパクさん夫婦も同様だ。
旧ソ連地域にはパクさんのような「無国籍高麗人」が5万人に上ると推定される。53万人の高麗人の10%程度だ。彼らを指して外交通商部のシン・ガクス次官は、「わが民族が不幸だった時代、列強に挟まれた弱小国が生んだ悲劇の産物」と述べた。
政府は高麗人強制移住60周年を迎えた2007年から、無国籍高麗人支援事業に着手した。現地国籍取得のため外交的努力と法律的支援をしている。しかし各国の法律と文化的な壁に阻まれ大きな成果は上げられていない。
こうした状況の中、最近無国籍高麗人の解決策が作られ始めた。ウクライナが「無国籍高麗人に国籍を回復させる創意的モデル」を提示したのだ。同国のルツェンコ内務相は本紙とのインタビューで、「(高麗人実態調査の)アンケートに参加した無国籍高麗人は、『自らの身元を証明できないとしても』追放することはできないという長官命令を全国に出した」と明らかにした。
韓国政府「高麗人は歴史的被害者」認め始める(2)
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