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【コラム】北核は統一の門だ

オバマ米大統領と李明博(イ・ミョンバク)大統領が行った韓米首脳会談の最も大きな成果は何か。 一般的に北朝鮮の核問題解決のための共同戦線や米国の安保公約の確認、韓米間の自由貿易協定(FTA)共感などが挙げられる。 首脳会談の前日、ワシントンのアメリカン大学で開かれた韓半島セミナーに出席した私は、北核解決のためには中国が乗り出すべきであり、中国の協力なく北核は解決されないという要旨の発表をした。 こうした観点で見ると、今回の首脳会談では中国の役割が具体的に議論されなかったという点で、今後、北核問題が本当に解決されるのかという疑問が生じる。

しかし幸いなのは韓米間で初めて韓半島統一に対する大きな下絵を描いたという点で、今回の会談が歴史的な首脳会談として残る可能性もある。 両国首脳が発表した「韓米同盟のための共同ビジョン」で、「韓半島は自由民主主義と市場経済原則に立脚した平和統一を目指す」と明文化した。 金大中(キム・デジュン)政権以降、北朝鮮の顔色をうかがいながら、統一の目標が何かについて政府の誰も言及してこなかった。 「低いレベルの連邦」というあいまいな言葉で正体不明の統一を美化させた過去とは違い、はっきりと自由民主主義体制での統一を宣言したのだ。 それも米国のタカ派である共和党政権ではなく、平和を前面に出した民主党政権と合意したという点でよりいっそう意味深い。

実際、北核はそれだけを別に取り出して解決することはできない問題だった。 今まで6カ国協議が失敗した理由もまさにこのためだ。 6カ国協議は北核を外交手段で解決できるということを前提にしている。 これは北朝鮮がなぜ核兵器を保有しようとするのかという意図を把握していない純真な発想だった。 北朝鮮にとって核兵器は絶対的国家利益と関連したものだ。 北朝鮮は核兵器を開発しなければ国が崩壊するという国家存立と関連した絶対的な観点を持っている。 どの国であっても国家の存立と関連した絶対的国家利益については譲歩しない。 北朝鮮が絶対譲歩できない国家利益を経済協力という物質的補償や平和条約という文書を信じて放棄するだろうか。


北核は北朝鮮の存立と絶対的に関連しているため、北核を除去するというのは北朝鮮の存立を揺さぶるものだ。 別の言い方をすれば、北核は北朝鮮の存立と分離して考えられず、北朝鮮の存立という問題は言葉を変えれば私たちの統一問題になる。 したがって北核の処理は統一過程の一環になるしかない。 こうした点で北核解決に先立ち韓半島統一がどんな方法で行われるべきかという大きな下絵がなければならず、その絵に基づいて北核の解体過程も進められなければならない。 ここでまさに中国の影響が絶対的なものとなる。

原油など中国の支援がなければ北朝鮮はすぐに植物国家になってしまう。 国連安保理がいかなる制裁決定をしようと、中国が北朝鮮を支援するかぎり北朝鮮は現在の姿勢を固守するはずだ。 中国は最終的に北朝鮮の核保有を容認し、北朝鮮体制を維持させることが利益か、それとも北核を除去して現北朝鮮体制を変えることが国家の利益かをめぐり悩むしかない。 ブッシュ政権時代の03年4月、ラムズフェルド国防長官は、北核解決のためには中国の協調の下で北朝鮮のリーダーシップを変えるしかない、というペンタゴンメモを回したことがある。 中国の協調を受けるには韓半島での変化が中国に決して不利益にならないという点を韓米が保証しなければならない。 北朝鮮内の突発事態で発生しうる数十万人の脱北者問題や、北朝鮮が崩壊した場合に在韓米軍が中国国境の鴨緑江(アムノッカン)まで北上する問題などについて、中国の懸念を払拭しなければならない。 さらに北朝鮮体制の変化時は一時的な中国の影響までも了解できるという立場を示す必要があるかもしれない。

まさにこうした点で、韓国と米国は統一後の韓半島が最終的にどんな姿になるべきかという合意がまず必要だった。 統一韓国が自由民主主義・市場経済体制へ進むという韓米間の合意は、今後の北核解決過程で生じるさまざまな変数を踏んで統一の方向を提示する指針書になるため意味がある。 もちろんこうした統一韓国が中国にも有益だという点を理解させなければならない。

私は北核問題が韓国に転禍為福となり、統一の門が開くと考えている。 北朝鮮が核への足取りを速めるほど統一の機会はますます近づく。 問題は私たちの準備だ。 相手が命をかけて出てくる問題であるだけに私たちにも苦痛が伴う。 私たちの苦痛なく北核問題の解決はない。 その苦痛に耐えるためには韓国のリーダーシップも国民の絶対的な支持を受けなければならない。 李明博(イ・ミョンバク)政権は果たしてそういう信頼を築いているのか。



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