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最近は評価の時代だ。 人は組織で人事考課という評価を受け、企業は資本市場では株式価格で、信用評価機関では格付けで評価を受ける。 大学も評価を受ける。 一般的に大学評価で重要な項目は研究(約60%)と教育水準(約20%)だ。 もちろん大学の第一使命は研究と教育であるのでこれは当然だと考えられる。 大学は研究と教育を通じて国の知的財産を築き、後につながる有能な後世を育てなければならない。
しかし隣人と社会に希望を与える社会的な責任も忘れてはならない重要な使命だ。 大学は少数のエリートがいい暮らしができるように能力を高める利己的・排他的なところではない。 社会のリーダーとして構成員がより幸せで希望に満ちた生活を営めるよう率先できる資質を育てるところだ。 ハーバード大を中退し、昨年ようやく名誉学士を受けたビル・ゲイツは卒業式でハーバード大卒業生らに対し「私たちがやるべき重要なことは世界の貧民層を救うのに率先することだ」と強調した。
世界50位内の大学の40%を占める米国の大学は伝統的に大学の地域ボランティアを強調している。 韓国でも最近、世界的な経済危機を受け、ある大学が奨学金を受ける大学生に低所得層の小中高生の面倒を見てもらうメンタリング事業を推進するという計画を発表した。 また別の大学では失業者の就職を支援する目的で「講義の無料開放」を宣言した。 このような努力は、大学がようやく社会で苦痛を受けている階層を積極的に支援し、大学周辺に対する社会的責任を認識し始めたという点で非常に望ましい。 しかし社会の危機状況で行われる一過性の行事ではなく、社会的責任を大学の重要な役割として認識し、より根本的かつ持続的に実践されなければならない。
最近、米国の経営学者シソディア教授は、偉大な企業よりも愛される企業が長寿するだけでなく、利益もより多く出していると発表し、話題になった。 営利を目的とする企業も最近は長期的な生存のために社会的責任の重要性を新たに認識しているのが今日の現実だ。 大学の社会的責務を強調する理由は、学生の人性教育と直接つながるためでもあるが、その社会で愛されない大学は決して世界的な大学になれないからだ。 韓国の大学もいまや近視眼的な利己主義的執着から抜け出し、社会的責任を果たす姿を見せてこそ、偉大な大学を越えて社会が誇る大学になれるだろう。 韓国の大学が周辺を目を向けて、地域の人々に希望と喜びを与える社会的責務を誠実に遂行する高貴な大学に生まれ変わることを期待する。
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