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「北、保険を詐取して統治資金に」

北朝鮮が欧州などの大手保険会社から多額の保険金をだまし取って統治資金に調達してきたと、18日付の米紙ワシントン・ポスト(WP)が報じた。

北朝鮮が国内で発生した災害や水害などの被害に対する保険金を国際保険会社に請求し、多額をだまし取ってきたことが分かり、再保険市場で「要注意」対象になっているということだ。

WPによると、北朝鮮は05年、米国の金融制裁でマカオの金融機関「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の資金が凍結された後、大手保険会社に保険金を請求し始めたという。


北朝鮮で出版される学術誌「経済研究」は同年、「活発な国際保険取引が先軍政治(軍事優先)を支えることも可能」という論文を掲載している。北朝鮮は06年には「元山(ウォンサン)沖で旅客船が暗礁に衝突する事故で129人が死亡した」とし、欧州の再保険会社に保険金を請求するなど3件の保険金を請求した。

WPは、米政府当局者と専門家、再保険会社の実務者、北朝鮮亡命者らに対するインタビュー内容に基づき、このように報じた。北朝鮮・朝鮮国家保険機構のシンガポール支社で勤務経験があり、03年に韓国に亡命した金光進(キム・クァンジン)氏は「北朝鮮は精巧な国際保険詐欺で金正日(キム・ジョンイル)国防委員長に必要な多額のドルを調達した」と証言した。

金光進氏は現在米ワシントンの非営利機関・北朝鮮人権委員会に勤めている。金氏は「03年2月に朝鮮国家保険機構のシンガポール支社で働いていた当時、金委員長の誕生日祝いとして現金2000万ドル(約20億円)をバッグ2つに詰めて北京経由で金委員長に送金した」と明らかにした。

金氏は「6年間勤務したが、再保険請求による収入が年間5000万-6000万ドルに達した」とし「一部は国内で(保険金の受領に向けた)事故を調べたり、再保険料の支払いに使われたが、残りは金委員長の手中に入った」と話した。

ブッシュ前政権で北朝鮮の違法資金を追跡したアッシャー元国務省上級顧問は「この金が核危機でドル不足に苦しんだ金正日政権を支えた」と診断した。米政府と司法当局は北朝鮮が偽ドル・たばこ・麻薬・バイアグラを製造・販売しているのを把握しているが、国際保険詐欺はあまり知られていない。保険会社が自社への評判が悪くなる保険詐欺事件の露出を避けてきたからだ。



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